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Linux版「TwinCAT」登場へ、半導体製造やロボット業界などの採用拡大狙うベッコフハノーバーメッセ2024(2/2 ページ)

Beckhoff Automationは、同社のPCベース制御ソフトウェア「TwinCAT」について、オープンソースOSである「Linux」対応版を追加する予定だ。従来のWindows版では採用に課題のあった半導体業界や、Linuxユーザーが中心のロボット業界、アカデミアなどでの利用拡大を狙う。

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ぐるぐる回るリニア搬送装置、薬品を攪拌しながら搬送

 ベッコフはまた、同社の浮遊型リニア搬送システム「XPlanar」についても、回転しながら移動するという新機能のデモを初公開していた。

 Xplanarはコイルを内蔵したタイルと、永久磁石を内蔵した可動子で構成されたシステムで、電源を入れることでタイル上部に磁界を生成し、可動子を浮遊させて搬送を行う。可動子はX、Y、Z軸(Z軸方向は最大5mmまで)およびA、B、C軸(各±5度)の6軸を制御できる。非接触のため部品の摩耗がなく、粉じんも起こらないといったメリットがある。

 Xplanar自体は既に多くの実績がある製品だ。今回初公開した機能は、このXplanarが高速で回転しながら自由に移動できるようになったというもの。これによって薬品などの攪拌(かくはん)をしながらの搬送が可能となり、高効率化などが図れるとしている。

デモの様子[クリックで再生]

 川野氏は、「例えば薬品の攪拌工程では従来、試薬を入れたフラスコなどを攪拌機まで搬送し、攪拌後は、また別のところに搬送するという工程が必要だった。Xplanarの新機能があれば攪拌しながら搬送が可能となり、撹拌機が不要になると同時に、効率低下につながる加減速の機会も減らせる」と説明した。また、同機能はコントローラーのドライバーをアップデートするだけで実現可能といい、「こうした機能をちょっとしたアップデートで無料で享受できるというのが当社のPC制御アーキテクチャの最大の特長だ」と強調していた。

AIのモデル作成や生成AIによるプログラミング

 この他、会場では、同社が用意したファウンデーションモデル(基盤モデル)によって、データサイエンティスト不要で外観検査のAIアプリケーション作成を可能にするという「TwinCAT Machine Learning Creator」や、PLC言語の開発環境にChatGPTを組み込んだ「TwinCAT Chat」のデモも公開していた。TwinCAT Chatは2023年のハノーバーメッセでも公開していたが、今回は同社のサンプルコードやマニュアル、仕様書などを正規のデータで学習させることで正式リリースに近づいたと説明していた。

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