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鉄鋼物流業界の脱炭素化に向けた実証実験を開始製造マネジメントニュース

伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTコミュニケーションズ、メタル便は、伊藤忠丸紅鉄鋼が提供する脱炭素ソリューション「MIeCO2(ミエコ)」を活用し、持続可能な鉄鋼物流の構築を目的とした実証実験を2024年8月1日から開始する。

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 伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTコミュニケーションズ、メタル便は2024年7月30日、伊藤忠丸紅鉄鋼が提供する脱炭素ソリューション「MIeCO2(ミエコ)」を活用し、脱炭素化をはじめとする持続可能な鉄鋼物流の構築を目的とした実証実験を同年8月1日から開始すると発表した。

実証実験の結果を2024年12月末までに取りまとめ

 物流業界では「2024年問題」による輸送能力不足への対応と、2050年までのカーボンニュートラルへの取り組みが急務となっている。特に鉄鋼物流業界は「専属便」と呼ばれる、各企業が自社貨物しか積載しない配送方法が慣習となっており、少量の貨物でも1台のトラックが配送しているため、輸送効率/CO2排出量の両面で課題を抱えている。

 これらの課題の解決策として、異なる荷主の貨物を同じトラックで配送する「共同配送」や、輸送方法をトラックなどではなく環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換する「モーダルシフト」への関心が高まっている。

 一方、メタル便は、鋼材輸送を中心に2000年から共同配送を行ってきた。同社が行う共同配送は従来の専属便より効率的でCO2排出量も少ないとみられているが、定量的な評価はされていない。そこで、伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTコミュニケーションズ、メタル便の3社は、今回の実証で、共同配送と専属便によるCO2排出量の算定方法を策定し、実際の事例で算定し、これにより、共同配送が鉄鋼物流業界のCO2排出量削減に与える効果を検証する。

専属便と共同配送のイメージ
専属便と共同配送のイメージ[クリックで拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 さらに、CO2排出量をステークホルダーに開示する仕組みの検討を行う他、共同配送によるCO2排出量削減分のカーボンクレジット化について検討する。

 各社の役割に関して、伊藤忠丸紅鉄鋼はサプライチェーン全体の脱炭素化に関する知見やMIeCO2の提供を担う。NTTコミュニケーションズはカーボンクレジットに関する知見の提供、CO2排出量の算定、情報開示、カーボンクレジット創出に関するICTを活用した仕組み化の検討を担当する。メタル便は実証フィールドの提供と鉄鋼物流業界の知見提供を務める。

 今後3社は、今回の実証実験の結果を2024年12月末までに取りまとめ、共同配送によるCO2削減を定量的に示す仕組みを確立し、メタル便の実業務への展開を目指す。また、鉄鋼物流の脱炭素の取り組みに賛同する企業と連携することで、共同配送を活用した持続可能なサプライチェーンの実現に貢献する。

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