成分分析を介して天然素材の売り手と買い手をつなぐプラットフォームをリリース:マテリアルズインフォマティクス
住友化学は、成分分析を介して天然素材の売り手と買い手をつなぐデジタルプラットフォーム「Biondo(ビオンド)」をリリースした。
住友化学は2024年7月18日、オンラインで記者会見を開き、成分分析を介して天然素材の売り手と買い手をつなぐ日本初(同社調べ)のデジタルプラットフォーム「Biondo(ビオンド)」をリリースし、専用Webサイトをオープンしたと発表した。
天然素材のブランディングにつなげられる機能とは?
同社は、これまで独自の触媒/合成技術や精製/加工技術を用いて石油を原料に機能性材料などを開発し製品として提供してきた。一方、新たな価値創造の取り組みとして、今後は同社固有のデータやノウハウ(無形資産)をベースに、素材のデータ解析ノウハウと科学に基づく理論を構築し、ソリューションも開発して展開する方針を示している。
こういった取り組みの一環として開発されたのがBiondoだ。Biondoは、350種類以上の天然素材とそれらを構成する数百を超える成分を網羅した分析データを掲載しているデータベースを備えたプラットフォームで、主に「成分分析・レポート」「素材検索データベース」「取引先開拓」といった3つの機能で構成される。
天然素材を販売したい会社がその素材の新たな価値を発見できる成分分析・レポートでは、ユーザー企業から提供された天然素材をBiondoで分析し、分析結果から分かる天然素材の特徴をレポートや詳細なデータで提出する。これにより、ユーザー企業はこの素材の価値が分かり、ブランディングにつなげられる。
住友化学 技術・研究企画部担当 執行役員の辻純平氏は「成分分析・レポートはマーケティング担当者の『自社の素材の付加価値を見つけたい』というニーズに対応できる機能」と話す。なお、この機能で行う分析は成分の一斉分析による探索(スクリーニング)システムで、素材が含有する成分やその量を保証できない他、機能性表示食品の届け出に使えるデータではないという。
素材検索データベースは、成分や機能性からの検索や素材からの検索に対応する情報基盤で、検索でヒットした天然素材をクリックすると、産地や取引可能量などに加えて、素材に含まれる化合物(成分)の分析結果を確かめられ、成分の機能性についても知ることができる。ユーザー企業はこのデータベースを利用することで、入手したい天然素材の専門情報を得られる。
取引先開拓は、ユーザー企業から提供された素材をBiondoで分析し、専用Webサイト上の素材検索データベースに分析結果を登録/公開する。これによりユーザー企業は、Biondoを利用する企業が購入希望の素材やその特徴を素材検索データベースで探した際に登録された素材がマッチすれば商談の機会を得られる。具体的には、登録された素材に興味を持った企業がBiondo上で見つかった際には、運営を行う住友化学から登録した企業にメールが送信される。登録した企業はこのメールを確認後、購入希望者と商談や取引に進むことができる。
価格は2024年7月時点で、成分分析/レポートにおける成分分析依頼や簡易レポートの閲覧は無料で、詳細レポートの閲覧は有料(件数ごとに課金)。素材検索データベースは有料(月額課金)で、取引先開拓はトライアル版提供中のため無料となっている。
また、サービスリリースを記念し、2024年7月31日までに新規会員登録すれば、通常は有料で提供している素材検索時の詳細情報を、2週間に限り無料で閲覧できるキャンペーンを行っている(新規会員登録時に「素材検索データベースプラン」を申し込むことで可能になる)。
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