地域の移動手段を守れ! 国交省が「交通空白」解消本部を設置:モビリティサービス(3/3 ページ)
国土交通省はタクシーなどを利用できない状態の解消に取り組む「交通空白」解消本部を設置した。
「交通空白」解消本部で目指すこと
「交通空白」解消本部では、ライドシェアの取り組みが遅れている約600の自治体への伴走支援や、約700カ所の主要交通結節点(主要駅、空港など)での2次交通アクセス向上支援などに取り組む。
日本版ライドシェアなどは、今後もバージョンアップを続ける。バージョンアップ第1弾となる雨天など高需要期の車両供給量拡大や貨客混載、協議運賃、大都市部以外の制限緩和、タクシー配車のマッチング率の算定方法合理化については、2024年9月ごろにとりまとめを予定している。第2弾では、新たなダイナミックプライシングなど運賃や料金の多様化や、タクシー以外の運送事業者の参入促進などを検討する。
「交通空白」解消本部では課長級の幹事会を毎月開催し、定期的な報告や議論も行う。地域や観光の足を確保する上では、鉄道や航空など交通事業者の協力を仰ぐことも必要だとし、公共交通政策審議官や物流・自動車局以外にも、航空局や鉄道局、海事局、港湾局の局長が本部員として参加する。観光庁長官や地方運輸局長なども本部員として加わる。
国土交通大臣の斉藤鉄夫氏は「ライドシェアを巡る議論が展開されてきたが、問題の本質はタクシーなどの移動手段を利用できない状態をいかに解消できるかだ。移動手段を確保できないことが、日常生活に不便を生じさせたり、観光需要の取り込みの足かせになったりしてはいけない。ライドシェアのバージョンアップを含めて、地域の実情に合った方策を一刻も早く導入できるよう取り組んでいく」と述べた。
物流・自動車局長の鶴田浩久氏は「地域交通の確保が喫緊の課題となる中、手段としてのライドシェアに注目が集まり、全国の自治体が地域交通を我がこととして考えて動き始めたと実感している。自治体と交通事業者が連携する機運も高まっているのではないか。ライドシェアのバージョンアップや全国の普及にスピーディーに取り組んでいきたい」とコメントした。
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