地域の移動手段を守れ! 国交省が「交通空白」解消本部を設置:モビリティサービス(2/3 ページ)
国土交通省はタクシーなどを利用できない状態の解消に取り組む「交通空白」解消本部を設置した。
現在、公共ライドシェアや日本版ライドシェアは約1100の自治体で導入済みもしくは導入に向けて準備が進められている。公共ライドシェアを導入した自治体としては、神奈川県三浦市がある。バス運行本数やタクシー稼働台数が大幅に減少する夜間(午後7時〜翌午前1時)の市民の移動手段として採用された。
この他にも、乗車定員11人未満の小型車両を使った乗り合いタクシーが対策としてある。大型のバス車両を使わないことで旅客運送を維持しやすくなる。また、AI(人工知能)によって最適な配車や運行ルートを実現するオンデマンドサービスも対策の1つだ。任意に乗降ポイントを設定できるため、地域内の移動を面的にカバーしやすい。個人の移動ニーズに対応しながら一定数の乗客を同時に移動させることも可能だ。
農山漁村では、移動手段の確保と観光振興、鳥獣害対策に総合的に取り組む「活力再生パッケージ」が推進されている。移動手段の確保に関しては「農山漁村型ライドシェア」による対策が行われている。農業協同組合、商工会、観光協会、RMO(Region Management Organization、地域運営組織)などさまざまな主体がライドシェアを提供している。
「観光の足」の現状
2024年4月に外国人延べ宿泊者数が1400万人を超えるなど観光需要は回復している。ただ、宿泊先は東京圏/大阪圏/名古屋圏で71.4%を占めるなど宿泊先は偏在している。また、地方では新幹線や特急の停車駅、空港といった交通結節点でタクシーがつかまらないなど2次交通の確保に課題がある。3大都市圏以外の観光振興を進める上で地方への誘客強化となる2次交通は重要な役割を果たす。
この対策として、鉄道会社とタクシー会社の連携などによるMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)、乗り場や待合所の利便性や安全性を向上させる地方ゲートウェイの刷新、観光客も利用可能な公共ライドシェア、週末の午後に稼働する日本版ライドシェアなどさまざまな取り組みが推進されている。
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