スマートフォンをぐるぐる回して手足の器用さを定量的に測定する技術:医療機器ニュース
NTTは、スマートフォンを手に持つか足に装着し、ぐるぐると回転させて運動のばらつきを定量的に評価し、手足の器用さの度合いを見える化する技術を開発した。
NTTは2024年6月17日、スマートフォンをぐるぐると回転させて運動のばらつきを定量的に評価し、手足の器用さの度合いを見える化する技術を開発したと発表した。
研究では、比較的速い速度で繰り返し円運動をする際の「動きのばらつき」に注目。スマートフォンを手に持つか足に装着し、15秒間一定の動きでぐるぐる回す運動をした際の加速度軌道のばらつき量を定量化するアルゴリズムを開発した。
4〜88歳までの608人を対象に器用さを評価したところ、手足ともばらつき度は成長につれて減少し、その後一定となった後に加齢で増大した。この傾向は、利き側、非利き側で確認できたが、手足とも利き側の方がばらつき度は小さかった。
次に、右利き、左利き、右手への矯正者別に、手の動きのばらつき度を評価した。その結果、非利き手の方がばらつき度が大きく、右手を使うように矯正した集団のばらつき度は左右ともに小さかった。矯正トレーニングにより、もともとは非利き手の右手のばらつき度は小さくなるが、左手の器用さも低下しないことが明らかとなった。
足のばらつき度も同様に解析したところ、右利きの人は右足のばらつき度が小さいが、左利きの人は左右差がなかった。右手を使うように矯正した人は、左足より右足の方がばらつき度は小さく、利き手を変えるトレーニングが足の器用さにも影響していることが分かった。
同技術により、器用さの向上が簡単に可視化できるようになる。今後、スポーツトレーニングや医療、介護分野の運動リハビリなどでの活用が期待される。
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