製造業向けIoTサービスで電力使用量の測定が可能に、アナログセンサーにも対応:製造業IoT
マイクロリンクは、製造業向けIoTクラウドサービス「IoTGO」に、電力使用量測定オプションを追加した。生産ラインの稼働状況と対比しながら電力使用量を測定、記録できるため、効率的な電力削減に寄与する。
マイクロリンクは2024年6月19日、製造業向けIoT(モノのインターネット)クラウドサービス「IoTGO」に、電力使用量測定オプションを追加したと発表した。同時に、IoTデータ収集用の各種アナログ入力センサーの取り扱いを拡大した。
新オプションとして追加したのは、生産ラインの稼働状況と対比しながら電力使用量を測定し、記録できる機能だ。ライン稼働時と非稼働時の電力使用量の推移を可視化することで、効率的に電力を削減できる。また、キュービクルおよびグループ単位での測定にも対応し、どちらもクラウド上のIoTGOダッシュボード上で確認できる。
また、これまでのIoTGOでは、データ収集にアナログ入力センサーを活用できなかったが、電力使用量測定オプションの開発を機に仕組みを見直し、アナログ信号も収集可能にした。振動や温度などのデータを収集し、故障の予兆検知や熟練技能者のノウハウをデジタル化することで、加工機械のパラメーター最適化や職人技の継承に活用できる。
アナログ入力信号は、設備ごとに個別に測定するため、センサーゲートウェイおよびセンサー数に応じた初期費用が必要になる。種類によってはデータ量が膨大になることから、データはクラウドではなくセンサーゲートウェイに蓄積し、センサーゲートウェイのダッシュボードから閲覧する。
対応可能なセンサーには、6軸モーションセンサー、3軸加速度センサー、ACおよびDC電流センサー、汎用電流入力(4〜20mA)、汎用電圧入力(0〜5V)、環境センサー(気温、気圧、湿度)などがある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IoTデバイスに不可欠な「アンテナ」「無線モジュール」「SIMカード」の役割
IoTデバイスの基本的な構成から、必要な認証、デバイス選定までを前後編で解説する本連載。前編では、基本的な構成の中でも、通信に関する機能を持つ「アンテナ」「無線モジュール」「SIMカード」について詳しく解説する。 - IoTデバイスにも必須の「技適」とは何か、どんなデバイスを選ぶべきか
IoTデバイスの基本的な構成から、必要な認証、デバイス選定までを前後編で解説する本連載。後編では、IoTデバイスを日本国内で使うために必要な認証いわゆる“技適”についての解説を行った上で、目的に応じてどのようなデバイスを選定していくべきかについて紹介する。 - 国内製造業が苦手なコネクテッド製品開発の道筋はリーンスタートアップの先にあり
製造業のバリューチェーンを10のプロセスに分け、DXを進める上で起こりがちな課題と解決へのアプローチを紹介する本連載。第9回は、IoT(モノのインターネット)の普及により市場が拡大している「コネクテッド製品」の「購入/使用」における課題とその解決策について解説する。 - つながるだけでは不十分? 革新的な価値を生む「いいIoT」とは
モノづくりDXの重要性が叫ばれて久しいが、満足いく結果を出せた企業は多くない。本連載ではモノの流れに着目し、「現場力を高めるDX」実現に必要なプロセスを解説していく。第5回はIoTの中でも「オンプレIoT」と「デジタルネイティブIoT」の違いを解説したい。 - 生産性を2.2倍に高め、残業時間を3343時間削減したIoTによる生産革新の成果
MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパンの、アイティメディアにおける産業向けメディアは2020年12月14〜15日、オンラインでセミナー「MONOist IoT Forum 2020 Digtal Live」を開催した。同セミナーは通算で14回目となるが、オンラインでの開催は初となる。後編では久野金属工業(愛知県常滑市)取締役副社長の久野功雄氏による特別講演「機械・人・仕事のDXによる生産性革命」の内容を含むDay2の内容を紹介する。 - 理想のスマートファクトリーに近づけるため今必要なこととは
MONOistは2018年11月9日、名古屋市内で「Connected Industries Forum〜製造業のデジタル変革は『理想』と『現実』の両輪で実現せよ〜」を開催した。