大成化工がセグリゲーション方式のバイオマスPPを用いたシートを開発:材料技術
大成化工は、バイオマスポリプロピレン(PP)を採用したシート(単層バイオマスPP)「TAS-BPP2525」の開発を進めている。
大成化工は、「第26回 インターフェックス Week 東京」(2024年6月26〜28日、東京ビッグサイト)の「[医薬品][化粧品]製造展」に出展し、医薬品向けに開発中のバイオマスポリプロピレン(PP)シート(単層バイオマスPP)「TAS-BPP2525」を披露した。
性能は通常のCPPシートとほぼ同等
TAS-BPP2525は、石油由来の原料と分離して保管/管理されたバイオマス原料を利用するサプライチェーン管理方式「セグリゲーション方式」を採用したバイオマスPPを採用しており、従来の無延伸ポリプロピレン(CPP)シートと切り替えて導入できる。
同製品の厚みは250μmで、赤外線センサーで透過した微量水蒸気量を評価するモコン法で適湿度は1.2g/(m2・24h)。全光線透過率は91%で、ヘーズ(透明物質の曇り度合いや光の拡散度合いを表す指標)は23%となる。食品、添加物などの安全性の規格基準である厚生省告示第370号をクリアしており、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラマークも取得している。加えて、同社の単層CPPシートと比べTAS-BPP2525はCO2の排出量が17%低い。
大成化工の説明員は「国内で、これまでセグリゲーション方式のバイオマスPPを採用したシートの開発事例はなかったと認識しており、この製品が国内初だと考えている。というのもセグリゲーション方式のバイオマスPPを販売しているメーカーがなかったためこれまで開発できなかった。当社は海外でセグリゲーション方式のバイオマスPPを製造しているメーカーを発見し、そのメーカーから同方式のバイオマスPPを購入し今回の製品を開発できた。TAS-BPP2525の性能は通常のCPPシートとほぼ同等で、現状はほぼ完成しているが発売日は未定だ」と話す。
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