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富士通が商用量子コンピュータシステムを初受注、産総研に提供量子コンピュータ

富士通は産業技術総合研究所の「超伝導ゲート型量子コンピュータ」を受注した。2025年初旬に産総研の量子/AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センターで稼働する予定だ。富士通によると、国内ベンダーが商用量子コンピュータシステムを受注したのは初めて。

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 富士通は2024年6月18日、産業技術総合研究所の「超伝導ゲート型量子コンピュータ」を受注したと発表した。新システムは、2025年初旬に産総研の量子/AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)で稼働する予定だ。受注日は2024年5月15日で、富士通によると、国内ベンダーが商用量子コンピュータシステムを受注したのは初めて。

 産総研G-QuATに導入が決定したシステムには、富士通が新たに開発した冷凍機内部の高密度配線実装技術や大型量子ビットチップ実装技術を適用した。これにより、超伝導量子コンピュータを構成する希釈冷凍機をアップグレードすることなく、世界最大級となる数百量子ビットまで拡張可能な設計となっている。

2023年10月、国産2号機の超伝導量子コンピュータを構築

 富士通は2021年4月に理化学研究所と「理研RQC-富士通連携センター」を設立し、超伝導量子コンピュータの大規模化に向けた共同研究を推進してきた。

 2023年10月には国産2号機となる超伝導量子コンピュータを構築し、量子シミュレーターと連携させて利用できる「ハイブリッド量子コンピューティングプラットフォーム」を企業向けに提供している。材料や金融、創薬など多様な分野のユーザー企業との共同研究で活用し、実用的な量子アプリケーションの探索を拡大する試みを進めている。

 また、富士通は2024年2月に、産総研G-QuATの量子/AIクラウド「ABCI-Q」も受注しており、G-QuATの量子/古典計算環境の整備に貢献していく。

 産総研量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの副センター長 堀部雅弘氏は「今回の量子コンピュータシステムの導入により、研究開発向けの計算基盤をより強固なものとし、日本の産業促進や新市場創出に貢献したい。将来的に量子コンピュータとABCI-Qを連携させ、量子とAIの融合技術確立の研究に活用する予定だ」(プレスリリースより)とコメントしている。

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