ネコ型配膳ロボで実績、産業用途向け搬送ロボットを日本市場へ投入へ:無人搬送車
Pudu Roboticsは、産業用搬送ロボット「PUDU T300」を日本市場へ投入する。設備を再構築することなく容易に導入でき、生産や物流現場の省力化、省人化を推進して、深刻化する人手不足の解消に貢献する。
Pudu Roboticsは2024年5月24日、同社初の産業用搬送ロボット「PUDU T300」を日本市場へ投入すると発表した。中国や欧米などでは既に販売を開始しており、同年7月より出荷を開始予定。日本での販売開始時期は、調整中となっている。
同社は、飲食店向けの配膳ロボットや清掃ロボットで培ってきた開発力と技術を生かし、産業用途向けの搬送ロボットを初めて開発。生産や物流現場の省力化、省人化を推進し、深刻化する人手不足の解消に貢献する。
PUDU T300は、独自の高度な視覚測位システム「PUDU VSLAM+テクノロジー」を搭載し、マーカーなしでナビゲーションするため、設備を再構築することなく容易に導入できる。600mmの狭い通路を移動でき、20mmの敷居と35mmの側溝を越えるなど優れた機動性を備える。また、最大30mの天井高の環境に適応し、最大20万m2の空間でも動作する。
IoT(モノのインターネット)機能も備える。自己構成ネットワークにより、アプリケーション経由での電話操作や生産ラインからの資材リクエストに対応する。また、システムを容易に統合するソフトウェアAPIインタフェースも提供する。
ロボットの位置や走行進路は、高輝度の操作表示灯と交通信号灯が明確に表示する。ボタンは作業者の意向や設備に合わせてカスタマイズでき、アラーム音によるリマインダー機能も備える。
自動再充電とバッテリー交換機能を搭載しており、24時間365日連続稼働できる。AGV(無人搬送車)に適用される国際安全規格「ISO3691-4」に準拠し、LiDAR、深度カメラ、衝突防止エッジ、緊急停止ボタンの搭載により安全性を確保した。
本体サイズは780×500×1340mmで、重量60kg、最大積載量は300kg、最大走行速度は1.2m/秒。容量30Ahのバッテリーを搭載し、充電時間は2時間(0〜90%)、稼働時間は無積載時で12時間、満積載時で6時間となっている。
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