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フローで考える熱のモデリング(その2) 〜熱コンダクタンスの定義と導出方法〜1Dモデリングの勘所(32)(3/5 ページ)

「1Dモデリング」に関する連載。連載第32回では「フローで考える熱のモデリング(その2)」と題し、熱コンダクタンスの定義とその導出方法について取り上げる。

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自然対流熱伝達

 以上、強制対流熱伝達について議論してきた。ここで、最初に戻って自然対流熱伝達について考える。図7に示すように、垂直加熱平板に沿った2次元の定常的な自然対流を考える。

自然対流熱伝達
図7 自然対流熱伝達[クリックで拡大]

 流れは層流で、重力は図の下向き(−x方向)に作用している。自然対流の運動方程式は既に導出した運動方程式で、体積力Fx=−gを考慮すればよい。すなわち、

式28
式28

となる。境界層近似では境界層外の圧力がそのまま境界層内に及び、境界層外では流体の動きはないので、

式29
式29

となる。この式を最初の式に代入すると、

式30
式30

となる。

 一方、流体の熱膨張に関しては、次の関係が成り立つ。

式31
式31

 βは体膨張係数である。上記の関係を用いて、前々式を表現すると下記となる。

式32
式32

 連続の式、エネルギー方程式は同様なので、支配方程式は以下となる。

式33
式33 連続の式
式34
式34 運動方程式
式35
式35 エネルギー方程式

 上述の式を、強制対流熱伝達と同様に無次元化すると以下となる。

式36
式36

 Grを「グラスホフ数」と呼び、粘性力に対する浮力の大きさを示す。以上から、

式37
式37 自然対流
式38
式38 強制対流
式39
式39 自然対流と強制対流が共存

となる。

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