自動車サイバーセキュリティの重要性、一般消費者の理解はまだ不十分:車載セキュリティ
VicOneは日本国内の一般消費者を対象とした自動車サイバーセキュリティの意識調査の結果を発表した。
VicOneは2024年6月10日、日本国内の一般消費者を対象とした自動車サイバーセキュリティの意識調査の結果を発表した。調査は2024年3月13〜15日に、18〜65歳の男女660人を対象に実施した。
自動車のサイバーセキュリティが必要だと思うか尋ねると、57.6%が「必要だと思う」と回答したが、サイバー攻撃の糸口となるポイントについては十分には認知されていない結果となったとしている。「Wi-Fi」「Bluetooth」「USB」「携帯回線」「EV充電設備」の選択肢を用意し、サイバー攻撃の対象としてあてはまると思うかどうか尋ねると、「Wi-Fi」があてはまるとした人は51.1%で、「Bluetooth」は42.0%、「USB」が17.7%、「携帯回線」が25.8%、「EV充電設備」が12.4%となった。これらの選択肢がサイバー攻撃の対象となるのかが「分からない」という回答は30.5%に上った。
自動車のサイバーセキュリティが「必要でない」「どちらともいえない」と回答した人にその理由を尋ねると、「どのようなリスクがあるのか分からないから」「コネクテッドカーがまだあまり普及していないから。自分が乗らなければいいから」「自動車から個人情報の流出があったと聞いたことがないから」「リスクが小さい(わざわざお金をかけるまでもない)」「日本は治安がいいから、または自分が住んでいる地域は治安がいいから」という回答が寄せられたという。
自動車に対するサイバー攻撃のリスクとして思い浮かぶものを尋ねると、「プライバシー/データの保護の安全性」のリスクが重大だと回答した人が39.8%で最多だった。次いで、「経済的な損失に対する安全性」が20.6%、「物理的/交通の安全性」が15.0%だった。自動車に対するサイバー攻撃が交通事故などの人的被害をもたらす危険性があることを意識している人はまだ少数派であると同社は指摘した。
コネクテッドカーから盗まれる可能性があると思う情報について複数の選択肢を用意して尋ねると、「車両の位置情報」が当てはまると回答した人が54.7%で、その他の選択肢は当てはまるという回答が50%を下回った。あてはまるという回答は、「住所」(46.7%)、「氏名」(46.1%)、「走行距離と走行時間」(41.4%)、「ドライブレコーダーの映像」(37.7%)、「クレジットカードなどの決済情報」(37.3%)、「メールアドレス」(36.8%)という結果だった。
コネクテッドカーを所有している、もしくは家族などが所有するコネクテッドカーに乗ることがあるという回答者130人に、自動車に登録されている情報を把握しているかを尋ねると、「把握している」が68.5%、「把握していない」が31.5%となった。
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