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コネクテッドカーが攻撃を受けたら費用を補償、自動車業界向け保険:車載セキュリティ
東京海上日動火災保険とJapan Automotive ISACは、J-Auto-ISACの会員企業向けにコネクテッドカーサイバー保険団体制度を創設した。
東京海上日動火災保険とJapan Automotive ISAC(J-Auto-ISAC)は2023年5月31日、J-Auto-ISACの会員企業向けにコネクテッドカーサイバー保険団体制度を創設したと発表した。同年6月から、コネクテッドカーサイバー保険の提供を始める。
J-Auto-ISACは2021年2月に創設された業界団体で、自動車メーカーやサプライヤーなど100社以上が会員となっている。
東京海上日動火災保険とJ-Auto-ISACで、一定のセキュリティレベルをクリアしたJ-Auto-ISACの会員向けに新たな保険商品を開発した。サプライヤーの部品の脆弱性が原因で市場に流通しているコネクテッドカーがサイバー攻撃を受けた場合、初動対応にかかる費用や損害賠償責任などの補償を提供する。原因や被害範囲の調査、弁護士やコンサルタント、風評被害の拡大防止など専門家への相談、社告、納入先などへの法律上の損害賠償金などの費用に保険金を支払う。
会員は速やかに初動対応に着手でき、費用の負担を低減できる。さらに、会員のサイバーセキュリティ対応の意識向上や情報共有を通じて、業界全体のセキュリティ対応の強化や底上げにつなげる。
自動車に関しては、WP29(自動車基準調和世界フォーラム)でセキュリティの国際基準が整備され、日本では2022年7月からコネクテッドカーに関する新たな法規制が施行されている。
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