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ラズパイ5にAIキットが登場、処理性能は13TOPS人工知能ニュース

英国Raspberry Pi財団がシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 5」と組み合わせて高性能のAI推論処理を可能にする「Raspberry Pi AI Kit」を発表。最大13TOPSの処理性能を備えており、カメラから入力した映像データに対してリアルタイムで物体認識などを行える。

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 英国Raspberry Pi財団は2024年6月4日(現地時間)、2023年9月に発表されたシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」の最新モデル「Raspberry Pi 5」と組み合わせて高性能のAI(人工知能)推論処理を可能にする「Raspberry Pi AI Kit」を発表した。最大13TOPSの処理性能を備えており、カメラから入力した映像データに対してリアルタイムで物体認識などを行うことが可能だ。価格は70米ドル。スイッチサイエンスとKSYが国内向け販売を近日中に行うとしており、価格(税込み)はスイッチサイエンスが1万4195円KSYが1万2650円を予定している。

「Raspberry Pi 5」に搭載した状態の「Raspberry Pi AI Kit」
「Raspberry Pi 5」に搭載した状態の「Raspberry Pi AI Kit」[クリックで拡大] 出所:Raspberry Pi財団

 Raspberry Pi AI Kitは、Raspberry Pi 5から採用している拡張ボード規格「Raspberry Pi HAT+」に準拠した「Raspberry Pi M.2 HAT+」に、イスラエルのHailo Technologiesが展開するAIアクセラレータIC「Hailo-8L」を搭載するM.2インタフェースを持つモジュールをあらかじめ装着した状態で提供されるキット製品になっている。

「Raspberry Pi AI Kit」は「Raspberry Pi M.2 HAT+」と「Hailo-8L」を搭載するM.2モジュールから構成されている
「Raspberry Pi AI Kit」は「Raspberry Pi M.2 HAT+」と「Hailo-8L」を搭載するM.2モジュールから構成されている[クリックで拡大] 出所:Raspberry Pi財団

 Hailo-8Lは、Hailo TechnologiesのAIアクセラレータとしてはエントリーレベルに位置付けられており、13TOPSのAI処理性能を発揮する一方で、消費電力は定格で1.5Wに抑えられている。コストパフォーマンスにも優れ、既に300社以上の顧客に採用されているという。なお、Hailo-8LのM.2モジュールは、Raspberry Pi M.2 HAT+を介してRaspberry Pi 5と帯域幅8GbpsのPCIe 3.0で接続されている。

 組み込み機器でカメラを用いたAIシステムを開発する上で課題になるのが、カメラのサブシステムとAIフレームワークの統合だ。Raspberry PiのLinuxベースの標準OSである「Raspbrry Pi OS」で提供されるカメラアプリケーション「rpicam-apps」を用いれば、この統合が自動的に行われる。Raspberry Pi AI Kitには、Hailoが提供するAIライブラリ「Hailo TAPPAS」がプリインストールされており、これを活用すれば数百行のC++コードでAIアプリケーションを作成できるという。Hailoは、GitHubで構築済みのAIモデルを公開しておりこれをそのまま利用することも可能だ。この他、TensorFlowやKeras、PyTorch、ONNXといった一般的なAIフレームワークにも対応する。

 なお、Raspberry Pi財団は、Raspberry Pi AI Kitを用いた物体認識や姿勢推定の事例をYouTubeで公開している。これらのAI処理は全てHailo-8Lで行っているため、Raspberry Pi 5のCPUにAI処理の負荷はかかっていないという。

「Raspberry Pi AI Kit」を用いた物体認識の事例[クリックで拡大] 出所:Raspberry Pi財団

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