経営目標未達でパナソニックHDは課題事業整理に本腰、主力の車載電池は国内強化:製造マネジメントニュース(1/4 ページ)
パナソニックホールディングスは、2025年3月期が最終年度となる中期戦略の目標で3項目中2項目が未達濃厚となったことから、重点領域のさらなる強化を進める一方で、事業売却や閉鎖などを含む事業ポートフォリオ管理を強める方針を示した。
パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2024年5月17日、グループ戦略を発表。2025年3月期(2024年度)が最終年度となる中期戦略の目標で3項目中2項目が未達濃厚となったことから、重点領域のさらなる強化を進める一方で、事業売却や閉鎖などを含む事業ポートフォリオ管理を強める方針を示した。
中期経営指標は目標未達で「危機的な状況」
パナソニックHDでは、2024年度末までの経営指標(KGI)として、累積営業キャッシュフロー(2022〜2024年度)2兆円、ROE(自己資本利益率)10%以上、累積営業利益(2022〜2024年度)1.5兆円という目標を掲げていた。この内、累積営業キャッシュフローについては達成見込みだが、ROE、累積営業利益については未達が濃厚な状況になっている。
パナソニックHD グループCEOの楠見雄規氏は「キャッシュフロー重視の経営は定着してきたものの、車載電池、空質空調、SCMソフトウェアというグループ投資領域で収益を出せず、収益を支えるべき事業で大幅な計画未達となった。期待に応えられない危機的な状況だと認識している」と述べる。
こうした状況を受けて2024年度の取り組みとしては、まず、車載電池、空質空調、SCMソフトウェアの投資領域における事業基盤強化を進める。さらに、事業ポートフォリオマネジメントを強化し、成長性と投下資本収益性により各事業状況を精査し課題事業の一掃を図る。さらにグループの体質強化として、人的資本経営と現場革新、PX(パナソニックトランスフォーメーション)を推進する。
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