SUBARUの工場でMujinのバラ積みピッキングロボ導入、鍛造粗材の投入作業を自動化:スマートファクトリー
MujinはSUBARU(スバル)の大泉工場において、粗形品の投入作業を自動化した。
Mujinは2024年5月15日、SUBARU(スバル)の大泉工場(群馬県大泉町)において、粗形品の投入作業を自動化したと発表した。
大泉工場では、自動車のエンジンやトランスミッションなどのパワーユニットを製造している。Mujinでは今回、同社のバラ積みピッキング知能ロボット「PickWorker」を用いて、クランクシャフト鍛造粗材の加工ラインへの投入作業を自動化した。
PickWorkerはMujinのソフトウェアプラットフォーム「Mujin コントローラ」や、6軸多関節ロボット、3Dビジョンシステム、特殊機能付きハンドなどで構成され、バラ積み状態のワークのピッキングをティーチング作業なしで実現する。
クランクシャフトの鍛造粗材は複雑な形状で、さらに位置が定まらない状態でコンテナ内に収められているため、加工ラインへの投入作業を自動化するのが困難だった。Mujinは、バラ積みピッキング実行中に、センサーを活用した異常検知も可能なロボットシステムを構築。3Dビジョンによる正確な3次元認識と、ティーチングレスでロボット動作を最適化できる制御技術を活用し、バラ積み状態のクランクシャフトのピッキングを実現した。
複雑な形状のため、ワーク同士が絡まり2個同時にピッキングしてしまう可能性もあったが、搬送中にセンサーで2個取りを検知するなど、チョコ停防止の対策に加えて機器の保全に関する機能も随所に盛り込んだ。
ロボットセルの設計時にはデジタルツイン環境でモーションプランニングによるシミュレーションを行い、高可搬でリーチの長いロボットを採用しながらも、設置に必要な面積を最小化した。
バラ積みピッキングでは立ち上げやトラブル時の原因把握が長期化しがちだが、Mujinコントローラには接続された機器の稼働ログを閲覧できるプレイバック機能があり、何を見てどのように行動したのかの記録が見られる他、撮像から認識、計画、実行までのロボットの稼働履歴を時系列に確認できる。問題発生時のロボットと周辺機器のI/Oの状態もチェック可能だ。
実際にSUBARUの現場でも、2個取り検知センサーを設置したにもかかわらず、ワークの2個取りが発生。当初はセンサーの設定不良を疑うも、Mujinコントローラに記録されたログを確認すると、メカ的な問題であることが判明した。SUBARUでは、今後他ラインへの導入も検討しているという。
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