物流企画関連求人が2014年比で17.49倍に増加、異職種からの転職も7倍に:キャリアニュース
リクルートが「物流業界の生産性向上」に関する求人と転職の動向調査の結果を発表した。2014年を1とすると、2023年の「物流企画関連求人」の数はで17.49倍に増加し、「異職種からの転職者」は7.60倍に増加していた。
リクルートは2024年4月24日、「物流業界の生産性向上」に関する求人と転職の動向調査の結果を発表した。同調査は「リクルートエージェント」求人データを対象とし、分析したものだ(有効回答数は非公開)。
まず「リクルートエージェント」での求人数推移を見ると、2014年を1として、2023年は「物流企画関連求人」が17.49倍、「物流のデジタル化に関わる求人」は14.76倍に増加していた。
物流企画関連求人は、異職種からの転職者が2014年比で7.60倍に
近年の、物流の小口化や多頻度化による物流件数の増加を背景に、プロセスの品質やコスト、生産性を管理する「物流企画」「物流管理」「輸配送管理」などの「物流企画関連求人」が増加している。
2023年の「物流企画関連求人」への転職者について、全体を見ると2014年の5.46倍に増加。「異職種からの転職」は2014年比7.60倍で、「同職種からの転職」の3.71倍を大きく上回った。
特に「物流管理」求人への転職では、販売やサービス職の経験がある人の転職が目立つ。転職者からは「物流プロセスは工程が多く、複雑な分析能力を求められるので自己成長につながる」「大人数のマネジメントに携わるため大変だが、マネジメントのスキル向上が期待できる」などのコメントが寄せられた。
物流業界では、他業界と比べて遅れていたデジタル化を、生産性向上のために推進しようとする動きがある。それを受けて、物流とITを組み合わせたサービスを提供する「IT、インターネット業界の物流テック求人」や「物流業界のITエンジニア求人」が増加している。
デジタル系部門を社内に設立する企業も多くなり、近年はSIer企業から「物流業界のITエンジニア」への転職が増えている。転職者からは「現場の課題を吸い上げ、上流から企画を考えられる点に魅力を感じる」「予算の大きさやプロジェクト規模の大きさなど、経営の本気度を感じる」といったコメントがあった。
リクルートは、同調査を通じて、デジタル化推進のための課題や解決策を挙げている。
デジタル化が遅れている物流業界はデジタルに不慣れな側面があり、デジタルツールを導入しただけでは現場で適切に運用されず、デジタル化が進展しないことも考えられる。まずは、どのように現場にデジタルツールを浸透させていくかが課題となる。
デジタル化を確実に進めていくため、今後は業界全体でプラットフォームの最適化を図るなど、関係者が連携してデジタル化を推進していく必要があるとしている。
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