モデルベース開発環境の最新版、衛星通信システム向けツールをアップデート:組み込み開発ニュース
MathWorksは、モデルベース開発環境「MATLAB」「Simulink」の最新版「Release 2024a(R2024a)」を発表した。衛星通信システム向けの「Satellite Communications Toolbox」をアップデートし、シナリオのモデル化に対応した。
MathWorks(マスワークス)は2024年4月4日、モデルベース開発環境「MATLAB」「Simulink」の最新版「Release 2024a(R2024a)」を発表した。衛星通信システム向けの「Satellite Communications Toolbox」をアップデートし、シナリオのモデル化に対応した。
最新のSatellite Communications Toolboxでは、エンジニアによるシナリオのモデル化が可能になったことで、衛星通信システムやリンクの設計、シミュレーション、検証用のツールを提供する。ツールボックスを使用し、RFコンポーネントや地上局の受信機と合わせて物理層のアルゴリズムを設計し、テスト波形を生成してゴールデンレファレンス設計を検証できる。
R2024aでは他に、MATLABとSimulinkで広く利用されている「Computer Vision Toolbox」「Deep Learning Toolbox」「Instrument Control Toolbox」について、アップデートを実施している。
Computer Vision Toolboxは、コンピュータビジョンや3Dビジョン、動画処理システムの設計、テストのためのアルゴリズム、関数、アプリを提供する。最新版では、2Dおよび3Dのビジョンタスクに対応するアルゴリズムの設計、データのラベル付け、コード生成を実施する機能を搭載する。
ディープラーニング向けのDeep Learning Toolboxでは、Transformerアーキテクチャのサポート、PyTorchやTensorFlowモデルのインポートとコシミュレーションが可能になった。MATLABとオシロスコープなどの機器を接続するInstrument Control Toolboxは、計測器エクスプローラーアプリを使用することで、コードを記述せずにデバイスを管理できる。
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