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工場の見える化を即日で可能にするIoTの“治具”、クラウド接続も不要IoTソリューション展

Braveridgeは、「第13回 IoTソリューション展【春】」において、製造現場向けのIoTツール「BraveJIG」を披露した。工場におけるIoT導入にはいろいろと手間がかかるイメージが強いが「最短1日、即日で見える化が可能になる」(Braveridgeの説明員)ことを最大の特徴とする。

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 Braveridgeは、「第33回 Japan IT Week【春】」(2024年4月24〜26日、東京ビッグサイト)内の「第13回 IoTソリューション展【春】」において、製造現場向けのIoT(モノのインターネット)ツール「BraveJIG(ブレイブジグ)」を披露した。工場におけるIoT導入にはいろいろと手間がかかるイメージが強いが「最短1日、即日で見える化が可能になる」(Braveridgeの説明員)ことを最大の特徴とする。発売は同年8月の予定だ。

Braveridgeの「BraveJIG」
Braveridgeの「BraveJIG」。製造現場での利用を前提にIP55相当の防塵(じん)防水性能を確保している[クリックで拡大]

 工場ではモノづくりの効率化や改善などでさまざまな治具が利用されている。BraveJIGは、製造現場のIoT化を担うIoTプロフェッショナルのための治具になることを想定して命名された。ハードウェアとしては、3種類のルーターモジュールを中核に、照度/測距/加速度/温湿度/気圧などの測定が可能なセンサーモジュール、センサーモジュールの電源となるバッテリーモジュールが用意されている。センサーモジュールからのデータをルーターモジュールを通じて見える化を行うサーバに集約してIoTとしての見える化を行う。

 この見える化を行うサーバを構築するソフトウェアとなるのが、福岡県工業技術センターが無償で配布するオープンソースソフトウェア「IoT導入支援キット」である。Windows PCもしくはRaspBerry PiベースのLinuxシステムに対応しており、センサーデータを蓄積するデータベース(DB)サーバと見える化のためのWebサーバを簡単に構築できる。このサーバとルーターモジュールの接続は、クラウドを介したLTE-M、イーサネット、USB-Cの3種類から選択可能で、それぞれ専用のルーターモジュールが用意されている。

「BraveJIG」のシステム構成
「BraveJIG」のシステム構成[クリックで拡大] 出所:Braveridge

 ルーターモジュールとセンサーモジュールの通信は有線もしくはBluetoothによる無線を選択できる。無線接続に必要なペアリングは、NFC通信を用いて互いのモジュールをタッチするだけで完了するので、設定の手間がかからない。

 厳しい環境となり得る製造現場に対応するため、ルーターモジュール、センサーモジュール、バッテリーモジュールは全てIP55相当の防塵(じん)防水性能を確保した。また、設置も容易に行えるように、Tスロットやイレクターなどの製造現場でよく使われる汎用部材に合わせて取り付けベースを用意している。

 Braveridgeは2023年11月に、BraveJIGでも中核的な役割を果たしているIoT導入支援キットとRaspberry Piを用いてIoTを簡単に構築できる「BravePI(ブレイブパイ)」を発表している。BravePIは、専用の拡張ボードを装着したRaspberry Piと、さまざまなセンサーを接続可能なトランスミッターをBluetooth通信でつなげることで簡単にIoTシステムを構築できる。

「BravePI」で利用するハードウェア
「BravePI」で利用するハードウェア。筐体がないので製造現場でそのまま使うことは難しい可能性がある[クリックで拡大]

 ただし、自前で購入することになるRaspberry Piなどの筐体は用意しておらず、センサーとトランスミッターの接続も配線むき出しで、工場などの製造現場で使いやすいとはいえなかった。また、専用の拡張ボードとトランスミッターのペアリングをスマートフォンを介して行う必要があり、システム構築に一定の手間もかかる。「BraveJIGでは、製造現場でも十分に利用できるようにルーターやセンサーのモジュールにIP55相当の防塵(じん)防水性能を持たせ、ペアリングも直接行えるようにしてシステム構築の手間も省けるようにした。工場のIoT化ではクラウド利用が難しい場面があるが、BraveJIGはルーターモジュールとサーバの接続をイーサネットもしくはUSB-Cにすればクラウドにつなぐ必要は一切なく、工場内でIoT化を完結できる。クラウドを使わないIoT化でぜひ活用していただきたい」(同説明員)としている。

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