ニュース
銅や銅合金など伝導率の高い素材の造形ができる高出力金属3Dプリンタ:金属3Dプリンタ
NTTデータザムテクノロジーズは、製造業向けの高出力金属3Dプリンタ「EOS M290 1kW」の販売を開始した。伝導率の高い銅や銅合金など、従来のレーザー出力では溶融や焼結が難しい素材の造形ができる。
NTTデータザムテクノロジーズは2024年4月4日、製造業向けの高出力金属3Dプリンタ「EOS M290 1kW」の販売を開始した。2021年度の「Enterprise 3D Printer of the Year(Metals)Award」を受賞した「EOS M290」に、1kWの高出力レーザーを搭載したL-PBF方式の金属3Dプリンタとなる。
1kWの高出力レーザーは、伝導率の高い銅や銅合金など、従来のレーザー出力では溶融や焼結が難しい素材の造形ができる。造形可能領域は250×250×325mmで、生産性は最大55.4cm3/時、スキャン速度は最大7m/秒、フォーカス径は最大90μmとなっている。試作品だけでなく、量産品の製造への活用も可能だ。
宇宙やエネルギー、モビリティ、輸送分野で利用される熱交換器やインダクターなどの造形に適しており、高性能で耐久性および市場競争力のある部品の設計や製造ができる。
現時点では、「EOS Copper CuCp」「EOS Copper CuCrZr」の2種類が材料として認定されている。2024年後半には他の材料も追加する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AM(アディティブ・マニュファクチャリング)が実製品活用されない国内事情とは何か
新しいモノづくり工法であるAMは、国内でも試作用途では導入が進んできている一方、実製品用途となると全くと言っていいほど活用されていない。本連載では、何がAM実製品活用の妨げとなっており、どうすれば普及を進められるか考察する。 - 品質保証とは何か、その定義を改めて考える
本連載では、AMにおける品質保証と、その方法を標準化した国際規格ISO/ASTM 52920について解説する。今回は、品質保証とは何かを改めて考える。 - 金属3DプリンタによるAMで先行する海外勢への日本の対抗策とは何か
本連載では、日本国内で何が金属3DプリンタによるAM実製品活用の妨げとなっており、どうすれば普及を進められるかを考察する。今回は、実製品活用で先行している海外勢への対抗策について考える。 - AMを実製品に活用するためには何から取り組めばいいのか
本連載では、何が金属3DプリンタによるAM実製品活用の妨げとなっており、どうすれば普及を進められるか考察する。今回は、AMを実製品に活用するには何からどのように取り組めばいいのかについて考える。 - 金属3Dプリンタの導入割合や最も多い用途とは、調査で浮かび上がる金属AM動向
MONOist編集部は「金属3Dプリンタ動向調査」を実施した。調査期間は2023年3月9〜22日で、有効回答数は355件だった。本稿ではその内容を抜粋して紹介する。 - AM実製品活用に企業はどのように取り組むべきか
本連載では、日本国内で何が金属3DプリンタによるAM実製品活用の妨げとなっており、どうすれば普及を進められるかを考察する。今回は、AMの実製品活用に投資するための企業の考え方、進め方について考える。