自動運転車のISO34502危険シナリオ群を数学的に定式化:自動運転技術
国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系教授の蓮尾一郎氏と、京都大学大学院情報学研究科助教の和賀正樹氏らの研究グループが、ISO 34502の危険シナリオ群について、その意味内容を数学的に定式化した。
国立情報学研究所(NII)は2024年4月10日、自動運転車の安全性保証の枠組みである国際標準ISO 34502の危険シナリオ群について、その意味内容を数学的に定式化したと発表した。
ISO 34502は、自動運転車の危険シナリオ群を網羅的に定めている。しかし、英語などの自然言語で記述された危険シナリオは、その解釈に違いが生じる可能性がある。この問題を解決するために同グループは、ISO 34502の危険シナリオ群のうち、特に自動運転車が「判断」する段階の危険要素に起因するシナリオ群に対して、数学的定義を与えて意味内容を確定させた。
今回の数学的定式化には、語彙の意味が数学的に定義されている「STL(Signal Temporal Logic:シグナル時相論理)」という形式言語が用いられている。数学的に定式化したことで、モニタリングなどの安全性評価タスクにおける自動化および効率化も可能になった。
また同研究は、記述した数学的内容がISO34502の意図に合致しているかを確認するため、同グループが開発中の対話型ツール「STLデバッガ」を用いて進められた。
なお同研究は、同研究所アーキテクチャ科学研究系教授の蓮尾一郎氏と、京都大学大学院情報学研究科助教の和賀正樹氏らの研究グループによる、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業「ERATOエラトー蓮尾メタ数理システムデザインプロジェクト」などの下で実施。三菱電機 情報技術総合研究所とも協働している。
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