アンモニア分解ガスから水素を精製する「膜分離水素精製システム」を開発:脱炭素
日本ガイシと三菱重工業は、水素/アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解後の水素/窒素混合ガスから膜分離方式によって水素を精製する「膜分離水素精製システム」の共同開発を行うと発表した。
日本ガイシと三菱重工業は2024年4月18日、水素/アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解後の水素/窒素混合ガスから膜分離方式によって水素を精製する「膜分離水素精製システム」の共同開発を行うと発表した。
各社の役割
今回の共同開発では、アンモニアを分解する際に生成される水素と窒素の混合ガスから、膜分離方式によって水素を精製する最適なシステムの構築を目指す。各社の役割に関して、三菱重工は、アンモニア製造プラントをはじめとした、国内外にある多数の化学プラントへの納入実績や、これまで培ってきたアンモニアおよび水素のハンドリング技術に関する知見を生かす。
日本ガイシは、化学プロセスや浄水分野で培った固液分離膜技術と独自の成膜技術に基づき、分離精度と耐久性に優れた世界最大級のセラミック膜に関する知見を利用する。
なお、両社は同システムで精製された水素がクリーンな原料/燃料として利用できることから有用と考え、早期実用化を目指し共同で開発を推進していく。
「膜分離水素精製システム」の開発背景
アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しないゼロエミッション燃料である水素を、安全かつ大量に長距離輸送/貯蔵することが可能な水素キャリアの1つとして注目されている。
そのため、日本での「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州など海外でもさまざまな計画がアンモニアのサプライチェーンの構築を構想しており、今後の市場の伸長が期待されている。
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