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EVワイヤレス給電協議会が設立、関西電力、ダイヘン、シナネンらが発起人に:電動化
関西電力、ダイヘン、シナネン、三菱総合研究所、米国WiTricity Corporationの5社は、電気自動車の普及を支える社会インフラとして、ワイヤレス給電を実用化し普及させていくため「EVワイヤレス給電協議会」を設立すると発表した。
関西電力、ダイヘン、シナネン、三菱総合研究所、米国WiTricity Corporationの5社は2024年4月17日、電気自動車(EV)の普及を支える社会インフラとして、ワイヤレス給電を実用化し普及させていくため「EVワイヤレス給電協議会」を設立すると発表した。
EVワイヤレス給電技術は、プラグを抜き差しする手間が無く、EVユーザーの利便性を高めるだけでなく、停車中や走行中でも給電できる点、EVと電力系統との常時接続を可能とする点などから、電力需給バランス調整にも役立つ技術として注目を集めている。
ただ、これらを実用化し、普及していくためには、産官学が協力して制度化や標準化、事業化に向けた検討を進める必要がある。そこで、新たに設立するEVワイヤレス給電協議会では「EVワイヤレス給電の社会インフラ化の推進」「EVワイヤレス給電の実用化、普及促進に関する対外発信と啓発」「EVワイヤレス給電の標準化の推進」の3つの目的を掲げ、普及に向けた土壌づくりや標準づくりを進めていく方針だ。
具体的な活動内容としては、以下の4つを挙げている。
- 導入普及シナリオ、ロードマップの策定と提言
- 実用化、普及に向けた実証実験の支援
- 設置や運用に関するガイドライン、規制緩和などの要望
- 給電ネットワーク化に必要な規格や仕様の検討(充放電器、システム、認証/課金など)
今後はまず5社を発起人として設立準備を進め、2024年6月に開催予定の設立総会によって正式に設立する計画だ。
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