連載
フローで考える流れのモデリング(その2) 〜適用例と3D/1Dの関係〜:1Dモデリングの勘所(30)(5/5 ページ)
「1Dモデリング」に関する連載。連載第30回では「フローで考える流れのモデリング(その2)」と題し、流れのモデリングの適用例と応用例、そして3Dモデリングと1Dモデリングとの関係について取り上げる。
流れの3Dモデリングと1Dモデリングとの関係
前回と今回の2回にわたり、1Dモデリングの一方法として、フローで考える流れのモデリングについて取り上げた。1Dモデリングはそれ自体が単独で存在するわけではなく、図9に示すように3Dモデリングとの補完関係にある。
3Dモデリングは流れの数学的記述とその解法に重点が置かれており、例えば図9に示した式から、Re数が小さいと粘性主体となる粘性流れ(層流)に、逆にRe数が大きくなると対流主体となる乱流になることが読み取れる。
一方、1Dモデリングは3Dモデリングを起点とし、流れの物理的解釈に力点があり、“流体(流れ)の本質を的確に捉え、見通しの良い形式でシンプルに表現”したモデルといえる。1Dモデリングでは式の各項が意味するところが一目瞭然であり、容量項のようにその意味するところを理解していれば、今回の水撃現象にも容易に応用可能である。すなわち、1Dモデリングはこれを使用する人次第で、いかようにも応用できる柔軟な武器といえる。
次回はフローで考えるモデリングの各現象への展開事例として、「フローで考える熱のモデリングの具体例」を紹介する。 (次回へ続く)
筆者プロフィール:
大富浩一(https://1dcae.jp/profile/)
日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。
- 最新著書:1Dモデリングの方法と事例(日本機械学会)
- 研究会HP:https://1dcae.jp/
- 代表者アドレス:ohtomi@1dcae.jp
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