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モーター制御ソフトウェア開発キットに新しい位置推定制御技術を追加:組み込み開発ニュース
東芝デバイス&ストレージは、新しい位置推定制御技術を追加したモーター制御ソフトウェア開発キット「MCU Motor Studio Ver.3.0」と、モーターパラメーターを自動算出する新ツールの提供を開始した。
東芝デバイス&ストレージは2024年3月19日、同社のモーター制御ソフトウェア開発キット「MCU Motor Studio」に新しい位置推定制御技術を追加した「MCU Motor Studio Ver.3.0」と、モーターパラメーターを自動算出する新ツール「Motor Tuning Studio Ver.1.0」の提供を開始した。
新開発した位置推定制御技術は、磁束オブザーバーをベースにしている。そのため、複雑な比例積分(PI)制御ゲインのチューニングが不要となり、モーター評価での調整が容易になった。従来の位置推定制御方式と比べて、負荷が高い駆動環境での安定性が向上している。なお、MCU Motor Studio Ver.3.0は、従来の位置推定制御方式でも使用可能だ。
また、MCU Motor Studioは、既知のモーターパラメーターによりモーターを制御する一方で、モーターからのパラメーター抽出機能は持たなかった。今回開発したMotor Tuning Studioを組み合わせることにより、モーターから初期パラメーターを容易に導き出して評価を開始できる。
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