Cortex-M4を搭載するモーター制御用32ビットマイコンの新製品を量産開始:組み込み開発ニュース
東芝デバイス&ストレージは、Arm Cortex-M4を搭載した32ビットマイコン製品群「TXZ+ファミリーアドバンスクラス」の第1弾として、モーター制御用マイコン「M4Kグループ」12製品の量産を開始した。
東芝デバイス&ストレージは2021年7月29日、Arm Cortex-M4を搭載した32ビットマイコン製品群「TXZ+ファミリーアドバンスクラス」の第1弾として、モーター制御用マイコン「M4K」グループ12製品の量産開始を発表した。第2弾の「M4M」グループ10製品は、同年8月から量産開始の予定だ。
両グループともに40nmプロセスを採用したArm Cortex-M4を搭載。「TXZ4A+」シリーズに属し、コアにはメモリ保護ユニット(MPU)と浮動小数点演算ユニット(FPU)を搭載する。最大動作周波数は160MHz。モーター制御回路A-PMD(Advanced-Programmable Motor Driver)、32ビットエンコーダーA-ENC(Advanced-Encoder)、ベクトルエンジンA-VE+(Advanced Vector Engine Plus)、12ビットA-Dコンバーターなどを内蔵する。
内蔵メモリはコードフラッシュが128Kまたは256KB、データフラッシュが32KB、RAMが24KBだ。インタフェースにはUART、TSPI、I2Cのほか、M4MグループはCANも搭載。機能安全対策回路としてROM、RAM、A-Dコンバーター、クロックのチェック機構も実装し、既存の「TXZ4」シリーズの「M4K」グループ(2)とも互換性を有する。
エアコン、洗濯機、汎用インバーター、産業用モーター機器、パワーコンディショナー、ロボットなどの制御に適している。
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