TOPPANとTSFがOPP基材バリアフィルムを開発、欧米やインドなどで発売:工場ニュース
TOPPANとインドを拠点とするTOPPAN Speciality Films(TSF)は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)を基材とするバリアフィルム「GL-SP」を開発し、生産/販売を開始すると発表した。
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANとインドを拠点とするTOPPAN Speciality Films(TSF)は2024年3月27日、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)を基材とするバリアフィルム「GL-SP」を開発し、生産/販売を開始すると発表した。
両社は、TOPPANグループの透明蒸着バリアフィルムブランド「GL BARRIER」シリーズのサステナブル包材対応新ラインアップとしてGL-SPを追加し、欧米、インド、ASEAN諸国などを中心に、乾燥内容物向けに2024年4月から提供を開始する。
GL-SPの特徴
GL-SPは、OPP基材が材料に使用されており、リサイクル対応でニーズが高まる包装のモノマテリアル化を実現する他、一般蒸着PETと同等レベル(水蒸気バリア性0.5g/m2、酸素バリア性0.5cc/m2)のバリア性を有し、乾燥物の包装用途に適している。さらに、バリア性を保ちつつ高い透明性を発揮するため、内容物の可視化や視認性向上によりをデザインの差別化を図れる。
今後、TOPPANグループは、2024年4月よりサステナブル包材への関心が高い欧米をはじめ、インド、ASEAN諸国を中心に販売やサンプル出荷を開始し、2025年度までに海外パッケージ関連事業で売上高1500億円を目指す。
インドでGL-SPを生産/販売する背景
脱炭素に向けた取り組みやプラスチックごみ問題が注目される中、環境配慮型包材の需要が高まっている。加えて、グローバル企業の多くが容器包装に関するプラスチック資源の循環に向けた目標を設定しさまざまな施策を打ち出し、世界的にもモノマテリアルを前提とするリサイクルへの取り組みが加速しつつある。
今回TSFは、これらの課題に対してサステナブル包材向けに需要が高まる、OPPを基材としたGL-SPを開発した。これによって乾燥内容物向け製品包装のモノマテリアル化を後押しする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 印刷済みOPPフィルムを水平リサイクルする実証実験を開始
凸版印刷、三井化学東セロ、三井化学の3社は、印刷済みOPPフィルムを再び軟包材OPPフィルムに水平リサイクルする共同実証実験を開始した。 - アップサイクルのプラットフォームが始動、間伐材と廃棄された紙容器をTシャツに
日清紡グループのニッシントーア・岩尾、ネスレ日本、凸版印刷などは、国内で廃棄される資源や食品残渣のリサイクル率向上を推進する企業連携のプラットフォームとして「一般社団法人アップサイクル」を設立した。 - 凸版印刷が水素エネルギー市場に参入、高性能なCCM/MEAを販売開始
凸版印刷は、水素エネルギー市場への参入に向け、世界初となる独自の製造方式による、触媒層付き電解質膜/膜電極接合体の生産設備を高知工場(高知県南国市)に導入したと発表した。 - 凸版印刷が欧州に透明バリアフィルム生産工場を新設、2024年末に稼働開始
凸版印刷は、透明バリアフィルム「GL BARRIER」の生産工場をチェコに新設する。稼働開始は2024年末の予定。優れた環境適性を備える同バリアフィルムの能力増強により、欧州市場における環境配慮型パッケージの需要拡大に対応する。 - 「白い恋人」の個包装を再生樹脂パッケージに、年間46tのCO2排出量削減
石屋製菓とTOPPANは、CO2排出量の削減などを目的に、環境に配慮した製造工程の構築に向けて協業を開始すると発表した。 - TOPPANとENEOSが国産バイオエタノールの実証事業を開始、古紙を原料に
TOPPANホールディングスとENEOSは、共同開発契約を締結し、古紙を原料とした国産バイオエタノールの事業化に向けた実証事業を開始すると発表した。