16種の計測機能と対話形式入力で段取り時間を短縮、補正の自動化も実現:工作機械
DMG森精機は豊富な計測機能を用いて段取り時間を短縮するテクノロジーサイクル「Measuring Pro」を開発した。
DMG森精機は2024年3月25日、豊富な計測機能を用いて段取り時間を短縮するテクノロジーサイクル「Measuring Pro」を開発したと発表した。
テクノロジーサイクルとは、工作機械本体や切削工具、周辺機器などのオープンイノベーション、組み込みソフトウェア、「CELOS」などのHMI(Human Machine Interface)を融合させた同社のソリューションを指す。これまで専用機や専用プログラム、特殊な工具で行っていた加工、段取り、計測を汎用的な工作機械や工具、治具などで簡単に素早い立ち上げと高い品質の加工や計測が可能になるという。
近年、ワークの複雑化、高精度化に伴い、計測工程も複雑化、高度化している。計測を行う際はGコードの入力や専用のマクロプログラムを作成して対応するケースが多いが、ワーク座標などの計測、補正に必要な機械システム変数を調べるためにマニュアルを確認したり、作成したプログラムの計測動作や計測結果が正しいかを調べたりする手間が発生していた。
Measuring Proに搭載している計測プログラムなら、全て対話形式のガイダンスに従い必要項目を入力するだけでプログラムを作成でき、マニュアルの確認やマクロプログラム作成が不要になり、プログラム作成時間を大幅に短縮する。同社内の事例では、ワークの平行出し用マクロプログラム作成に60分かかっていた作業が2分で完了したという。
補正フィードバック機能があり、自動で補正値が入力される。また、アラーム停止機能により、設定した上限値と下限値を超えた場合は機械を停止する。
搭載されている計測プログラムは下記の16種類となっている。XYZ面計測、平面測定、面角度計測、球計測、溝/リブ計測、取り代計測、回転軸位相計測、傾斜角度計測、コーナー計測、任意角度コーナー計測、円弧計測、プローブキャリブレーション、シャフト計測、ポケット/ボス計測、穴/ボス計測、Zキャリブレーション。
搭載可能機種は、5軸加工機「INHシリーズ」、複合加工機「NTXシリーズ」、マシニングセンタ「NVXシリーズ」「NHXシリーズ」、ターニングセンタ「NLXシリーズ」だ。いずれもMAPPS搭載機が対象で、オプションの機内計測装置(主軸タッチプローブ)が必要となる。
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