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全固体ナトリウムイオン二次電池の大型と高密度のタイプを開発、現状の課題とは?材料技術

日本電気硝子は「BATTERY JAPAN 二次電池展(第16回【国際】二次電池展)」に出展し、サンプル出荷を開始した全固体ナトリウムイオン二次電池や参考出展の同電池の大型タイプと高密度タイプなどを紹介した。

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 日本電気硝子は「第23回 SMART ENERGY WEEK【春】」(東京ビッグサイト、2024年2月28日〜3月1日)内の「BATTERY JAPAN 二次電池展(第16回【国際】二次電池展)」に出展し、サンプル出荷を開始した全固体ナトリウムイオン二次電池(以下、NIB)や参考出展のNIBの大型タイプと高密度タイプなどを紹介した。

生産プロセスの見直しで歩留まりを改善しサンプル出荷を実現

 同社のNIBは、正極、負極、固体電解質の全てが「安定した酸化物」により構成され、これらが独自の結晶化ガラス技術により強固に一体化した電池だ。過酷な環境下(−40〜+200℃)で作動し、発火や有毒ガス発生のリスクがない他、資源確保への懸念を要しない材料であるナトリウムを用いた全固体電池となっている。サンプル出荷を開始したNIBは出力電圧が3Vで容量が200mAhの標準タイプだ。

サンプル出荷を開始したNIBの標準タイプ
サンプル出荷を開始したNIBの標準タイプ[クリックで拡大] 出所:日本電気硝子

 日本電気硝子の説明員は「2023年の二次電池展でNIB標準タイプの開発品を出展した際には、製造プロセスを最適化できておらず、生産品の性能にバラツキがあった。2023〜2024年にかけて、製造プロセスを見直すことにより、充放電を1000サイクル以上可能な一定の性能を持つNIB標準タイプを小ロット生産できるようになり、サンプル出荷に踏み切った。小ロットでも導入実績をつくり、認知度を上げていきたい」と話す。

 会場ではエスペックの小型環境試験機「SU-242」を用いてNIB標準タイプが−40℃と+150℃で動作することを披露した。同社のNIBは、ガラスの軟化流動性を利用して正極や負極、固体電解質を強固に一体化することで、高いイオン伝導性を実現しているため、低温/高温の環境を問わず安定した動作が行える。

NIB標準タイプが−40℃(左)と+150℃(右)で動作することを披露
エスペックの小型環境試験機「SU-242」を用いてNIB標準タイプが−40℃(左)と+150℃(右)で動作することを披露[クリックで拡大]

 さらに、クギを刺したNIB標準タイプも展示し、電池材料が全て無機酸化物で構成されているため、使用時と製造時に発火や有毒物質発生の可能性がないことも紹介した。

クギを刺したNIB標準タイプも展示
クギを刺したNIB標準タイプも展示[クリックで拡大]

 参考出展したNIBの大型タイプはA4サイズで、高密度タイプは容量が500mAhとなっている。「現状、NIBの大型タイプと高密度タイプはいずれも生産プロセスが最適化されておらず、一定の性能を有すものを安定的に生産できない。今回は、容量が数十Ahとなる大型タイプや500mAhの高密度タイプを見せることで、当社のNIBの可能性を披露している。今後、両タイプの製造プロセスの見直しなどを進めていく。大型タイプに関しては、電気自動車(EV)市場で展開できる可能性があるため期待している」と語った。

 なお、素材メーカーである同社は、二次電池メーカーなどと協業して、NIBの量産を行うことも視野に入れているという。

全固体NIBの大型タイプ
全固体NIBの大型タイプ[クリックで拡大]
全固体NIBの標準タイプ(左)と高密度タイプ(右)
全固体NIBの標準タイプ(左)と高密度タイプ(右)[クリックで拡大]

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