日産のEV「アリア」が全グレード発売、NISMOモデルも追加:電動化
日産自動車は電気自動車(EV)「アリア」の全グレードを発売する。受注を停止していた一部グレードの注文受付も再開。また、スポーティーなチューニングを施した「アリアNISMO」も販売を開始する。
日産自動車は2024年3月8日、電気自動車(EV)「アリア」の全グレードを同年3月下旬に発売すると発表した。受注を停止していた一部グレードの注文受付も再開する。また、スポーティーなチューニングを施した「アリアNISMO」は同年6月に販売を開始する。
アリアには、駆動用バッテリーの容量と駆動方式で5つのグレードがある。受注を一時停止していたのは、バッテリー容量が66kWhで2WDの「B6」で、今回発売するのはバッテリー容量が66kWhで4WDの「B6 e-4ORCE」、バッテリー容量が91kWhで2WDの「B9」、同じバッテリー容量で4WDの「B9 e-4ORCE」、最上級グレードの「B9 e-4ORCEプレミア」だ。最上級グレードはバッテリー容量が91kWh、4WDで、運転支援システム「プロパイロット2.0」などの機能が標準装備となる。
アリアは2020年7月に発表。2021年6月にB6、B9、B6 e-4ORCE、B9 e-4ORCEの特別限定車の予約注文を開始し、最初の10日間で約4000台を受注。その後、通常モデルのB6が2022年5月に発売されたが、半導体不足や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による物流やサプライチェーンの停滞を受けて、同年7月には受注を停止した。
B6の消費税込み全国希望小売価格は2021年11月に発表された539万円から、今回120万100円増の659万100円に値上げされた。
アリアNISMOは2024年1月の「東京オートサロン2024」で披露した。ベース車両はアリアの4WDモデルで、バッテリー容量は66kWhもしくは91kWhとなる。4WDシステムのe-4ORCEに専用の加速チューニングを施し、動力性能を向上させた。バッテリー容量が91kWhのグレードでは最高出力を320kWとした。
アリアNISMOはアクセルを踏み込んだ際のレスポンスを最大化させ、俊敏な加速コントロールが体感できるとしている。ブレーキパッドやタイヤ、ホイールはアリアNISMO専用品を採用するとともに、前後のサスペンションやスタビライザーに専用チューニングを施した。内外装やボディーカラーもNISMO仕様となる。
駆動 | バッテリー容量 | グレード | 価格(円) |
---|---|---|---|
2WD | 66kWh | B6 | 6,590,100 |
91kWh | B9 | 7,382,100 | |
4WD | 66kWh | B6 e-4ORCE | 7,195,100 |
91kWh | B9 e-4ORCE | 7,987,100 | |
91kWh | B9 e-4ORCE プレミア | 8,603,100 | |
4WD(NISMO tuned e-4ORCE) | 66kWh | NISMO B6 e-4ORCE | 8,429,300 |
91kWh | NISMO B9 e-4ORCE | 9,441,300 |
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