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AIが映像から作業時間や種類を自動認識、製造現場の作業管理をデジタル化:製造現場向けAI技術
NECは「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」の販売活動を開始した。
NECは2024年3月5日、映像認識AI(人工知能)を活用して製造現場で撮影された映像から人の作業内容を自動で認識し、時間を計測する「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」の販売活動を同日に開始したことを発表した。
組み立てやメンテナンスなどに従事する人の姿や製品、工具などをあらかじめAIに学習させているため、学習モデルを作成する必要はない。また、人、姿勢、装着品、物体など複数の映像認識AIを統合したNEC独自の映像認識AIを活用しており、複数の条件設定を組み合わせることで作業時間計測、作業種別、作業滞留、ジェスチャーなどさまざまな検知が可能となる。さらに、AIに搭載している学習モデルにない物体や動作については、数枚の画像を登録することで認識できるようになる。
読み込んだサンプル映像を基に「何が」「どこで」「どうなったら」「何をする」といった作業の検知モデルをノーコードで作成できる。映像の録画、検知の実行管理、検知結果の可視化まで作業分析に必要な一連の作業に対応したGUI(Graphical User Interface)も実装し、操作性を高めている。世界150カ国以上で50万件以上の導入実績があるデンマークのMilestone Systemsのビデオ管理ソフトウェア「Milestone XProtect」とセットで提供する。実際の提供開始は2024年5月を予定しており、NECでは2年間で100ライセンスの販売を目標にしている。
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