型式指定申請の不正行為で止まっていた出荷と生産が、再開に向けて進み始めた。
国土交通省は2024年2月27日、豊田自動織機で不正行為が行われていた自動車用ディーゼルエンジンの現行3機種が道路運送車両法の基準に適合していることを確認し、出荷停止指示を解除した。出荷は1月29日から停止していた。
これを受けてトヨタ自動車は2024年2月28日、生産を停止していた該当エンジン搭載車種の生産ラインの稼働を3月4日から再開することを発表した。該当するエンジンが搭載された車両はグローバルで10車種、うち日本向け6車種だった。
これによりトヨタ自動車は国内全ての工場で生産を再開し、国内向けモデルの出荷も再開される。トヨタ車体 いなべ工場(三重県いなべ市)の第1ラインでは、不正対象のエンジンを搭載していた「ハイエース」「エース」「グランエース」と、これらと同じ生産ラインの「アルファード/ヴェルファイア」の生産を再開する。岐阜車体(岐阜県各務原市)の第1ラインも、ハイエースとエース、同一ラインの救急車の生産を再開する。
トヨタ車体 吉原工場(愛知県豊田市)で生産し、不正対象のエンジンを搭載していた「ランドクルーザー300」は海外向けの生産を既に再開しているが、今回、国内向けモデルの生産を再開する。トヨタ・モーター・タイランドで生産する「ハイラックス」は3月4日から出荷を再開する。
ダイハツも登録車の生産再開
ダイハツ工業は2024年2月28日、小型SUV「ロッキー(ガソリン車)」とトヨタ向け「ライズ(ガソリン車)」、スバル向け「レックス」の生産を3月18日から再開すると発表した。3車種は国土交通省が2月16日に道路運送車両法への基準適合を確認済みだった。未出荷車両は3月4日から出荷を再開する。
ダイハツは「ミラ イース」「ハイゼット」など軽自動車10車種や、トヨタ向け「プロボックス」、マツダ向け「ファミリア バン」の生産と出荷を2月に再開している。
ダイハツは2023年12月25日以降、型式指定申請の不正行為を受けて生産と出荷を停止しており、2024年1月の国内生産は0台だった(海外生産は前年同月比5.6%減の7万708台)。国内販売は軽自動車が同62.2%減の1万9345台、登録車が同68.4%減の950台となった。
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