次世代スマートカー向けデータストレージデバイスがASPICE CL3認証を取得:組み込み開発ニュース
Western Digitalは、組み込みフラッシュメモリ「iNAND AT EU552 UFS 3.1」が、ASPICE CL3認証を取得したと発表した。次世代コネクテッドカー向けに高品質なNANDストレージ製品を提供可能になる。
Western Digital(ウエスタンデジタル)は2024年2月14日、組み込みフラッシュメモリ「iNAND AT EU552 UFS 3.1」が、ASPICE CL3(レベル3)認証を取得したと発表した。
ASPICE(Automotive Software Process Improvement and Capability dEtermination)とは、車載ソフトウェアの開発プロセスを評価するための業界標準ガイドラインだ。今回、認証を取得したASPICE CL3は、開発プロセスが明確に定義および標準化され、積極的に管理された成熟レベルであることを意味する。
ASPICE CL3認証を取得したことで、同社はeMMC、UFSから、今後発売予定のBGA SSDまで、次世代のSDV(ソフトウェア定義自動車)向けの、高品質な車載用NANDストレージ製品を提供可能になる。多機能でスマートなコネクテッドカーを開発する企業のニーズに対応する。
また、同社の車載用iNAND製品は、表面実装技術(SMT)プロセス実施前に100%のデバイス容量を事前に実装できるため、製造フローの簡素化やコスト削減に寄与する。
なお、同社の全ての車載用製品は、機能安全規格ISO 26262に準拠する。他に、車載電子部品の世界基準規格AEC Q100/104認定や、国際自動車タスクフォースのIATF 16949認定なども取得している。
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