ニュース
資源循環型ATMの出荷を開始、2025年度に9割を転換へ:脱炭素
日立チャネルソリューションズは、使用済みの部品やユニットを再利用した資源循環型ATMの出荷を開始した。金融機関の環境に配慮した活動やサステナブルな取り組みを支援する。
日立チャネルソリューションズは2024年1月31日、使用済みの部品やユニットを再利用した資源循環型ATMの出荷を開始したと発表した。既に複数の金融機関が同ATMの採用を決定している。
資源循環型ATMは、新たに製造するATMの部品やユニットに、品質を確保した再利用品を搭載するもの。顧客の要望に応じて「循環型社会に貢献」と表記したラベルを貼り付け、資源循環の取り組みを可視化することで、金融機関の環境に配慮した活動やサステナブルな取り組みを支援する。
同社は、部品やユニットの再利用拡大に向けて、独自の部品選定基準を設定するとともに、「再利用部品」専用の生産ラインの構築を進めてきた。
部品の再利用に際しては、回収した製品から部品を抜き取って管理し、専用ラインで選別、診断した後、再組み立てと試験を経て再生する工程を確立した。再生した部品を用いた資源循環型ATMは、新品の部品を使ったATMと同等の性能、品質を備える。
同社は今後、再利用率を高めるため、自社製ATMの回収率を2025年度に90%以上まで引き上げる。将来的には、国内に出荷するATMの90%以上を資源循環モデルにする方針だ。加えて、再利用対象部品や再利用部品の適用製品を拡大し、再生材の積極的な活用を推進する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 再資源化の取り組みを支援、排出物の状況を可視化する製造業向けSaaS
digglueは、資源循環DXプラットフォーム「MateRe」の第1弾として、製造業向けのSaaS「MateRe-Visualization」をリリースした。排出物の状況を可視化し、再資源化を支援する。 - 梱包材を紙系材料に置き換え、京セラが環境負荷低減の取り組みを公開
京セラは、環境負荷低減に対する取り組みを公開した。梱包材のプラスチックを紙系材料に置き換えるなど、携帯電話機やスマートフォン、複合機において脱プラスチックに向けた梱包開発を進めている。 - タイヤの水平リサイクルはなぜ難しいか、ブリヂストンが狙う「世界初」の技術
ブリヂストンは2022年10月17日、同社が手掛けるタイヤ製品の水平リサイクルの取り組みに関する説明会を開催した。使用済みタイヤを水平リサイクルする意義や、同社がパートナー企業と共同で取り組む研究内容などを紹介した。 - 日立と産総研が“強者連合”、日本発でサーキュラーエコノミー技術を発信へ
日立製作所と産業技術総合研究所は、産総研臨海副都心センター(東京都江東区)内に「日立−産総研サーキュラーエコノミー連携研究ラボ」を設立した。同連携研究ラボには、日立から約20人と産総研から約20人、合計約40人の研究者が参加し、2025年10月10日までの3年間で10億円を投じる計画である。 - 見て触れて脱炭素を学ぶ、パナソニックの体験型学習スペースがオープン
パナソニックホールディングスは2023年3月22日、地球温暖化対策を学べる小中学生を対象にした展示ブース「Panasonic GREEN IMPACT PARK」を同月25日にオープンすると発表した。 - 設計から廃棄まで、PTCは製品ライフサイクル全体で環境負荷低減を支援する
PTCは年次イベント「LiveWorx 2023」を開催した。本稿ではキャサリン・クニカー(Catherine Kniker)氏の講演内容を抜粋して紹介する。同氏はサステナブルな設計エンジニアリングの在り方をテーマに解説を行った。