2023年の国内DTx市場の調査結果を発表、76製品が開発中と推計:医療機器ニュース
矢野経済研究所は、国内のDTx市場に関する調査結果を発表した。2023年11月時点で研究、開発が開始されている国産DTx製品数は推計76で、2020年代後半には数十まで拡大すると予測する。
矢野経済研究所は2024年1月31日、国内のDTx(デジタルセラピューティクス)市場に関する調査結果を発表した。2023年11月時点で研究、開発が開始されている国産DTx製品数は推計76で、2020年代後半には数十まで拡大すると予測する。
調査では、DTxを「治療補助等のために用いられる医療機器としてのアプリケーション(測定用デバイスと一体となっているものも含む)」と定義し、DTx参入企業を対象に2023年10〜12月の期間で調査した。同年12月時点で、日本において医療機器製造販売承認を取得しているのは3製品で、そのうち2製品は上市している。また、国産DTxの研究、開発に着手している企業数は40超で、ベンチャー企業が主となる。海外製DTxの日本への導入を図る企業も、製薬会社を中心に複数みられた。
研究、開発が進んでいる国産DTx製品数は、2023年11月時点で76と推定。糖尿病、うつ病や不安障害、がん、慢性疼痛、心疾患が上位5つの対象疾患となっており、他にも多数の疾患が開発対象となっている。
DTxによる療法としては、認知行動療法に立脚したもの、食事療法や運動療法の従来療法のデジタル化、ニューロフィードバック、独自ビデオゲームを活用するものなど幅広い。
SaMD(Software as a Mediacl Device)など制度面の整備も進んでおり、DTx上市製品数は2020年代後半には数十まで拡大すると予測する。さらに、DTxから派生したnon-SaMD(非医療機器アプリ)サービスの展開も本格化するとみている。
2030年代もDTx市場の拡大は続き、糖尿病など上位5つの対象疾患では、多数のDTxが利用可能になるとする。こうした上市製品の増加により、DTxの普及が本格化すると予測している。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 眼内内視鏡および眼内照明保持ロボットの臨床使用に成功
九州大学病院は、眼内内視鏡および眼内照明を保持する手術支援ロボット「OQrimo」の臨床使用に成功した。 - 1人暮らしの男子大学生は飲酒頻度が高くなることが明らかに
大阪大学は、大学生を対象とした追跡調査により、1人暮らしや寮生活をしている男子大学生は、家族と暮らしている男子大学生と比べて、週4回以上の高頻度の飲酒習慣になるリスクが高いことを明らかにした。 - JDIがスマートリングによるセルフケアサービス発表、独自開発のOPDセンサー搭載
ジャパンディスプレイ(JDI)は、フレキシブル基板上に形成したOPD(有機光検出器)センサーを搭載するスマートリングを用いた企業/団体向けの健康見守りサービス「Virgo(ヴァーゴ)」を発表した。 - ミリ波センサーでバリアフリートイレを見守る技術の実証実験を開始
TOTOと富士通は、ミリ波センサーを用いて、カメラを使わずに公共のバリアフリートイレ内を見守る技術の実証実験を開始した。検証後、同技術の改善を進め、プライバシーに配慮した見守り技術をサービス化する。 - 3D計測用スーツを用いて、高精度かつ短時間でリンパ浮腫四肢を測定
ZOZOとがん研究会 有明病院は、3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」とスマートフォンアプリを用いた四肢周径測定法について、リンパ浮腫の評価システムとして有用である可能性が示されたと発表した。 - 安全性が高く、高効率なアレルギー治療用経口ナノ粒子製剤を開発
慶應義塾大学と九州大学は、アレルギー治療に用いることが可能な、安全性および治療効率の高い経口ナノ粒子製剤の開発に成功した。これまで適用が難しかった、重症患者や乳幼児も適用できる可能性がある。