「自販機以上コンビニ未満」に最適、最新のAI無人決済店舗が品川駅で実証実験:スマートリテール
AI無人決済店舗システムを手掛けるTOUCH TO GO(TTG)が、2024年2月1〜6日の期間、JR品川駅構内の改札内イベントスペースにおいて、最新ソリューションである「TTG-SENSE SHELF」のユーザーテストと購買体験の精度検証を行っている。
AI(人工知能)無人決済店舗システムを手掛けるTOUCH TO GO(TTG)が、2024年2月1〜6日の期間、JR品川駅構内の改札内イベントスペースにおいて、最新ソリューションである「TTG-SENSE SHELF」のユーザーテストと購買体験の精度検証を行っている。初日に当たる同月1日、カルビー、クレープストーン、タビオの3社が参加する実証実験店舗を報道陣に公開するとともにTTG-SENSE SHELFの特徴について説明した。
TTGは、JR東日本スタートアップを母体として2019年7月に操業したカーブアウトスタートアップであり、最初にJR高輪ゲートウェイ駅に導入したAI無人決済店舗「TOUCH TO GO」を皮切りに、自由なレイアウトが可能な「TTG-SENSE」や、やぐら式で簡易設置可能な「TTG-SENSE MICRO」などを展開してきた。TTG 代表取締役社長の阿久津智紀氏は「TTG-SENSE SHELFは、より省スペースでの出店や食品以外の専門店商材の展開を求めるニーズに応えて開発した。商品棚1本とレジスペースの横幅1800mmを最小構成として、必要に応じてレゴブロックのように商品棚を追加できるような仕様になっている。設置や撤去も容易で、駅や空港、商業施設などのデッドスペースに展開しやすい。自販機以上コンビニ未満の市場を取りに行きたい」と語る。
店舗のシステム構成としては、店舗スペースに入ってきた来店客の動きを商品棚の上方に設置した3Dセンサーでセンシングするとともに、各棚で商品を陳列している各スペースは重量センサーが取り付けられており、来店客がどの商品を手に取ったか、商品を棚に戻したかなどが分かるようになっている。また、来店客が商品を手に取ったタイミングで自動音声で「商品を手に取っていただきありがとうございます」と声掛けを行う仕組みが万引きを防止する効果になっており、安全安心な店舗運営が行える。何らかのトラブルがあった場合も、レジスペースから呼び出せるコールセンターが対応するようになっている。
商品棚の上方に3Dセンサーが設置されており、来店客の動きをセンシングする。レジスペースの右上にある監視カメラは、万引き対策に加え、コールセンター対応の際に来店客の状態を把握するのに用いられる[クリックで拡大]
来店客は商品を手に取ってレジスペースに進み、決済を行えば商品購入は完了となる。電子マネーやクレジットカードだけでなく現金支払いも可能で、海外旅行客の利用も想定して決済案内は5カ国語に対応している。この他、来店客の導線分析や、棚別の売り上げ、効率をヒートマップで確認する棚効率分析など、AI分析基盤も用意した。
商品棚1本(幅900×奥行き600×高さ2500mm)と同サイズのレジスペースから成る最小構成の導入価格を300万円に抑えつつ、電源さえあればアドオンで設置できるシステムとしたことで、これまでのTTGのAI無人決済店舗システムと比べて導入のハードルは大幅に下がっている。「1日当たりの売上高が1万〜1万5000円あれば、2年で投資を回収できるだろう」(阿久津氏)という。実証実験を終えた後に最終調整を行い、2024年6月に発売する計画である。
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