オムロンがサプライチェーンのCO2排出量見える化実証開始、Catena-Xにも接続:脱炭素(2/2 ページ)
オムロンは、製造現場における脱炭素化への取り組みを紹介するとともに、製品サプライチェーンのカーボンフットプリントの見える化に向けた実証実験を開始したことを発表した。実証実験では、グローバルデータ流通基盤「Catena-X」にも接続する計画だという。
Catena-Xと連携し、製造現場のカーボンフットプリント情報を活用
これらを背景とし、オムロンでは、製造現場でカーボンフットプリント情報を収集する仕組みから、サプライチェーンで外部に情報を提供する仕組み、各種業務システムと連携する仕組みなどを一括して提供するために、新たにパートナーシップを構築し、これらの実現性を示すために実証実験を開始する。
パートナーとして、NTTコミュニケーションズ、コグニザントジャパン、ソルティスター、日本マイクロソフト、TeamViewerジャパン、AVEVA、Arcstone PTeと協業し、生産現場からリアルタイムで時刻同期を確保できる形でデータ取得し、これをITで活用できる形に変換し、データ流通基盤に乗せて、活用を進めていく。
具体的には、製造現場の情報取得はオムロンの制御機器などから行うとともに、ソルティスターのソリューションを活用し、オムロン以外の機器からも時刻同期性を保った形で情報収集する。これらを、Cantena-Xなどのさまざまなデータコネクタを開発しているNTTコミュニケーションズにより、OTからITへの変換やデータ流通できる形にし、コグニザントジャパンのソリューションでITシステムとの連携などを実現する。その他、TeamViewerジャパンはリモート接続、AVEVAはSCADAやHMI、ウインドリバーはソフトウェア開発プラットフォームなど、日本マイクロソフトは、クラウドや生成AIなど、Arcstone Pteは製造実行システムなどで協力する。
2024年3月〜12月に行う実証試験では、スイッチングパワーサプライ、上腕式血圧計、パワーリレーにおいて、カーボンフットプリント算出に必要な生産現場データ収集の自動化検証および算出や改善支援ツールの確立、グローバルデータ流通基盤を活用した収集や分析ノウハウの獲得などを実証する。また、集めたデータは、欧州のCatena-Xなどさまざまなデータスペースと連携できるようにする。ただ、山川氏は「Cantena-Xだけでなく、日本のウラノス・エコシステムなど、さまざまなデータスペースに、この協業による基盤を通してデータを提供できるような仕組みを構築したい」と語っている。
今後はまず実証を進めながらニーズに応じてユーザー企業と一緒に共創を進めていくとしている。「既に自社内での取り組みによりベースはできているが、顧客企業に応じて必要なものなどが変わってくるため、それらを一緒に構築しながらビジネス化につなげていく流れを考えている」と山川氏は述べている。今回構築したカーボンフットプリント情報の収集から外部データスペースへ共有する仕組みについては、2024年1月31日から東京ビッグサイトで開催される「IIFES2024」のオムロンブースで紹介するとしている。
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