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オムロンが考えるロボット導入の3つの壁、乗り越えるために必要なもの産業用ロボット(1/2 ページ)

オムロンは、ロボット事業についての説明会を開催した。産業用ロボットやモバイルロボットにおける戦略を紹介するとともに、ロボット普及を阻害する“3つの壁”とそれを乗り越えるために必要なものについて説明した。

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 オムロンは2023年11月1日、ロボット事業についての説明会を開催した。産業用ロボットやモバイルロボットにおける戦略を説明するとともに、ロボット普及を阻害する“3つの壁”と、それを乗り越えるために必要な共創施設「POC LAB」での取り組みを紹介した。

豊富なFA機器の実績を強みにロボットを展開

 オムロンでは、2015年に米国Adept Technology(以下、アデプト)を買収したことによりロボット領域に本格参入。産業用ロボットとモバイルロボット(AMR)の展開を開始した。その後、台湾の協働ロボットメーカーであるTechman Robot(以下、テックマン)への出資も行うなど、ロボットに関するポートフォリオの拡充を進めてきた。また、2020年にはロボットと制御機器を一体で制御できる「ロボット統合コントローラー」を発表するなど、制御とロボットの融合などにも取り組んでいる。

 加えて、オムロンでは豊富なFA機器を展開する中で、モノづくり革新コンセプトi-Automation!」を2016年から掲げ「デジタルエンジニアリング革新」「人を超える自働化」「人と機械の高度協調」への取り組みを進めてきた。その中でロボット事業においては、人と機械の可能性を最大化しサステナブルでフレキシブルなモノづくりを実現することを目指している。

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オムロンのロボット事業におけるi-Automation![クリックで拡大] 出所:オムロン

産業用ロボットやモバイルロボットをより使いやすく

 具体的には、産業用ロボット(共同ロボット含む)については、製品ラインアップの拡充を進めるとともに、製造現場における使い勝手や導入しやすさを高めるために、主に3つの取り組みを進めている。

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オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット事業本部 本部長の氏本拓志氏

 1つ目はロボット統合コントローラーによる制御アプリケーションとの統合による価値提供だ。制御機器とロボットが同じコントローラーで作業するために高精度での同期が可能となり、立ち上げ期間の短縮や開発工数の削減につなげられる。2つ目が、3Dシミュレーションやエミュレーション、レシピマネジャーなどを活用した短時間の立ち上げや段取り替えである。ロボットの立ち上げには何度も現場で調整する作業などが必要となり、それが柔軟なライン切り替えを妨げる要因となっていたが、シミュレーションなどを活用することでその回数を減らし、効率的な立ち上げを実現する。3つ目が、リモートモニタリングやリモートメンテナンスによるTCO(総保有コスト)の最小化だ。

 オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット事業本部 本部長の氏本拓志氏は「ロボットの本質的な役割として人の作業の代替がある。より高度な作業を担えるように利用領域の拡大を進めるとともに、より簡単に負荷なく使用できる環境を構築していく」と方向性について述べている。

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産業用ロボットおよび協働ロボットでの取り組みの方向性[クリックで拡大] 出所:オムロン

 一方、参入以来好調を続けているモバイルロボットについては、需要変化などに柔軟に対応できるように人や他のロボットとの協調搬送の推進や、デジタルデータを活用した搬送効率の改善、総合的なスループット向上などの実現を目指す。氏本氏は「工場の中でモノを運ぶところを自動化したいという需要は高い。変種変量対応や需給バランスの最適化などを含めた柔軟な自動搬送を実現するためにラインアップ拡充や関連ソリューション強化を行う」と語っている。

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モバイルロボットの取り組みの方向性[クリックで拡大] 出所:オムロン

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