「2016年に描いた姿は既に体現できた」オムロンが次に目指すモノづくりの将来像:FAニュース(1/2 ページ)
オムロンは2022年1月12日、新たなモノづくり革新の新コンセプト「i-Automation!-Next(アイオートメーションネクスト)」を発表。2016年から推進してきた「i-Automation!」を土台にさらに進化させ「人を超える自働化」「人と機械の高度協調」「デジタルエンジニアリング革新」による3つの現場革新の実現を目指す。
オムロンは2022年1月12日、新たなモノづくり革新の新コンセプト「i-Automation!-Next(アイオートメーションネクスト)」を発表。2016年から推進してきた「i-Automation!」を土台にさらに進化させ「人を超える自働化」「人と機械の高度協調」「デジタルエンジニアリング革新」による3つの現場革新の実現を目指す。
2016年に描いた世界を次々に具現化
オムロンでは2016年に「i-Automation!」という独自のモノづくり革新コンセプトを発表している。これは、オムロンの持つ「Input(入力)」「Logic(制御)」「Output(出力)」「Safety(安全)」「Robot(ロボット)」などモノづくり現場に関係する20万種以上の製品群をベースに、「integrated(制御進化)」「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の新しい協調)」の3つの方向性での進化を掲げ、さまざまな取り組みを進めてきた。
オムロン 執行役員常務 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長の辻永順太氏は「これらの方向性でのモノづくり現場の革新を進め230個以上のアプリケーションを生み出し製造現場に実装してきた。またこれらのソリューションでの提案を進めることで売上高も約2倍になるなどの実績を残せた。コンセプトやそれに伴う価値創造に手応えを感じている」と述べる。
例えば、「integrated(制御進化)」の領域では、ロボットと制御機器を一元的にコントロールできる「ロボット統合コントローラー」を製品化。従来はロボットや製造ラインの制御を担う“脳”に当たるコントローラーは別々に分かれており、すり合わせで制御を行ってきたが、一体でコントロールできるようにしたことで高速高精度でロボットと製造ラインの円滑な連携が実現できるようになった。実際に、従来技術では調整に大きな負荷が必要だった1μm以下の精度での組み付け精度などにより、自動化に成功した事例などもあるという。
「intelligent(知能化)」の領域では、AI(人工知能)を活用した官能検査や予兆保全などを実現。また、「interactive(人と機械の新しい協調)」の領域では、モバイルロボットを活用した自律的なモバイル搬送などを実現。さらに、人と機械が協調するセルラインコントロールシステムなども確立してきた。
新たに描くモノづくり革新の姿
2016年に描いたこれら3つの方向性での取り組みが既に現実のものとして提供できるようになってきたことから、新たに打ち出すのが「i-Automation!-Next」である。これは、従来の「i-Automation!」で取り組んできた「integrated(制御進化)」「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の新しい協調)」をさらに組み合わせ高度なモノづくりの姿を描くものだ。具体的には、新たに「人を超える自働化」「人と機械の高度協調」「デジタルエンジニアリング革新」の3つを掲げている。
辻永氏はこのタイミングでの新たなモノづくりコンセプトの発表について「i-Automation!を通じてモノづくり現場の革新を継続的に訴えてきたが、ある程度の形を実現できるようになってきた点に加え、コロナ禍や新たな社会課題への対応が前倒しで求められるようになったことが大きい。そのため今が新たなモノづくりの将来像を示すタイミングだと考えた」と述べている。
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