3Dプリントシューズや新コンセプトPCなど多数披露、日本HPが事業戦略説明会で:メカ設計ニュース(2/2 ページ)
日本HPは事業戦略説明会を開催し、2024年の事業の方向性や取り組みについて紹介した。併せて「HP Imagine 2023」で登場した新製品やAIテクノロジー内蔵PCの展示なども行われた。
2024年は飛躍の年、PC領域は「AI PC元年」に
事業戦略説明会に登壇した日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏は「2023年の成長を受けて、2024年は飛躍の年にする」と意気込む。そして、それを推進する柱として「革新的な製品とサービス」「信頼のサプライチェーン」「サステナビリティの強化」の3つを挙げる。
特に、革新的な製品とサービスの対象に含まれるPCの領域では「2024年は“AI PC元年”になる」(岡戸氏)とし、AIとの融合によりPCは“パーソナルコンピュータ”から“パーソナルコンパニオン”に進化し、伴走者となって人間を支援するようになるという。さらに、岡戸氏は「クラウドベースでのAI活用では、レイテンシ(遅延時間)やコスト、セキュリティの問題が指摘されることがあるが、AI PCの出現によって、エッジ側で多くの処理が行えるようになる。その結果、クラウド経由よりも約5倍処理が高速化され、コストも最大で80%ほど削減できる可能性がある」と強調する。
同じく、革新的な製品とサービスの説明の中で、3Dプリンティングソリューションについても言及。岡戸氏は「国内自動車メーカーに3Dプリント製品が採用された国内初の事例」として、「HP Jet Fusionシリーズ」を用いてSOLIZEが製造した3Dプリント部品が、トヨタ自動車の「LEXUS LC500」の純正オプション部品に採用されたことを紹介。さらに、最終製品の製造に適用可能な3Dプリンティングソリューション「HP Jet Fusion 5600シリーズ」と、海外の成功事例を基に3Dプリンタによる最終製品の製造ノウハウなどを提供する「プロフェッショナルサービス」の拡充についてもアピールした。
信頼のサプライチェーンに関しては、約30種類のデスクトップPC、ノートPC、ワークステーションを受注生産し、数十万通りにもなるカスタマイズ製品を5営業日で納品できる「東京生産(Made in TOKYO)」の強みをあらためて訴求する。東京生産を支える生産拠点、日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパークは日野市にあり、「2024年7月で東京生産開始から25周年を迎える」(岡戸氏)という。
サステナビリティの強化では、日本独自の取り組みとして、PCの再利用を促進し、持続可能な循環型経済へ貢献するための法人向けサービス「PCリユースプログラム」を紹介(サービス開始は2023年6月)。HPの法人向けPCに買い替えた際に、現在組織の中で使用しているPCを日本HPが定額で買い取り、データ消去および修理/再生後にリユースするという取り組みだ。
さらに、製品の梱包(こんぽう)などに使用してきた発泡スチロールの使用を廃止し、リサイクル可能なパルプモールドと段ボールによる梱包へとシフトする他、工場内移動や配送に用いるパレット(荷役台)も紙製のものに変更。紙製梱包テープの活用も検証している最中だとする。
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