富士フイルムが熊本に先端半導体材料の生産設備を導入、2025年稼働へ:工場ニュース
富士フイルムは富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリアにおいて、約60億円を投資して先端半導体材料の生産設備を導入する。
富士フイルムは2023年1月15日、富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング 九州エリア(熊本県菊陽町、以下FFMT九州)において、約60億円を投資して先端半導体材料の生産設備を導入すると発表した。2025年春の稼働を予定している。
電子材料事業の拡大に向けて、最新鋭の生産設備を導入してイメージセンサー用カラーフィルター材料を生産する。クリーンルームを設置するとともに、最先端の検査機器を導入し、品質保証体制を構築。既にイメージセンサー用カラーフィルター材料を製造する静岡拠点と同様の生産、品質保証体制とし、BCP対応を強化することでより安定的な供給を実現する。また、FFMT九州では半導体製造プロセスの基幹材料であるCMPスラリーを生産する設備を2024年1月中に本格稼働させる予定となっている。
イメージセンサーは、光を電気信号に変えて映像化する半導体で、デジタルカメラやスマートフォンなどに搭載されている。近年は自動車やセキュリティ機器などへ用途が広がり、今後、イメージセンサー市場は年率約7%の成長が見込まれるという。
富士フイルムはイメージセンサー用カラーフィルター材料を静岡拠点と台湾の新竹で生産しており、新たに韓国の平沢でも工場の建設を進めている。
さらに高度な機能性分子技術やナノ分散技術などを生かして、可視光領域にとどまらず、広範囲な波長領域をターゲットとした製品の開発と市場導入を促進。Wave Control Mosaic(WCM)として製品展開している。世界4拠点の生産体制とすることで、市場ニーズに合った新規製品の市場導入を加速させ、WCMの売り上げ拡大を目指す。
富士フイルムは2023年10月、米国の半導体材料メーカーEntegris(インテグリス)の半導体用プロセスケミカル事業を買収。2030年度には電子材料事業で5000億円の売り上げを目指している。
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