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富士フイルムがEntegrisの半導体用プロセスケミカル事業を買収製造マネジメントニュース

富士フイルムは、米国の半導体材料メーカーであるEntegrisの半導体用プロセスケミカル事業を買収する。

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 富士フイルムは2023年5月10日、米国の半導体材料メーカーであるEntegrisのグループ会社で半導体用プロセスケミカル事業をグローバルに展開するCMC Materials KMG Corporation(KMG)の発行済全株式を取得する株式売買契約を締結したと発表した。

 今回の買収を通じて、製品ラインアップ拡充による顧客提案力の強化やより強固なグローバル製造体制の構築などを図り、同社電子材料事業の成長を加速していく。なお、KMGの全株式取得に要する資金総額は7億米ドルだ。

半導体材料分野では初めてとなる東南アジアでの製造拠点を取得

 同社は、フォトレジストやフォトリソ周辺材料、CMPスラリー、ポストCMPクリーナー、薄膜形成材、ポリイミドなど半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料、イメージセンサー用カラーフィルター材料をはじめとしたWave Control Mosaic(WCM)を展開している。

 また、これらの幅広い製品のみならず、グローバルの安定供給体制、高い研究開発力、顧客との強固な信頼関係を強みに、積極的な設備投資などの成長戦略を進め、事業拡大を図っている。今回の買収を通じて、KMGの幅広い半導体用プロセスケミカルを獲得し、半導体製造プロセスを広くカバーする製品ラインアップで総合提案力を高め、顧客の製造プロセスの課題解決を図っていく。

 さらに、欧米での製造拠点の拡充だけでなく、同社の半導体材料分野では初めてとなる東南アジアでの製造拠点の取得で、より強固でグローバルな製造体制を構築し、サプライチェーンの強靭化を進める。

 加えて、KMGの高い精製技術と、富士フイルムが持つ幅広い半導体材料を開発/製造できる高度な研究開発力と品質保証力などを組み合わせて、より高純度化した半導体用プロセスケミカルなど最先端ニーズに対応した半導体材料を開発/提供することで、半導体のさらなる高性能化に寄与していく。

 富士フイルムは、今後も、中長期的な成長が見込まれる半導体市場に向けて、最先端の半導体材料を開発しワールドワイドに提供していくことで、電子材料事業を拡大する。

 KMGは、高度な精製技術/品質管理ノウハウにより、ppt(parts per trillion)レベルの高純度化を実現する半導体用プロセスケミカルを開発しグローバルに提供してきた実績を有する。

 現在は、米国、フランス、イタリア、シンガポールなどに全7か所の製造拠点を持ち、高純度な硫酸、イソプロピルアルコール(IPA)、水酸化アンモニウムなど幅広い半導体用プロセスケミカルを生産している。米国、欧州、東南アジアで大手半導体メーカーなどの顧客基盤を構築し、グローバルに製品を供給している。

半導体用プロセスケミカルの動向

 半導体用プロセスケミカルは、半導体製造の洗浄/乾燥工程での異物の除去や、エッチング工程で金属や油脂などを取り除くために使用する化学薬品で、半導体製造プロセスの基幹製品だ。現在、半導体の高性能化に伴って、半導体の微細化/多層化が進み、製造プロセスがより複雑化している。

 このような中、半導体用プロセスケミカルの使用頻度が加速度的に増え、その市場は年率11%で成長している。半導体用プロセスケミカルの性能では、ppb(parts per billion)レベルから1ランク高いpptレベルの高純度化が求められている。

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