「ゆるブラック企業」からの転職を76%が肯定:キャリアニュース
総合求人サイト「エン転職」が、「ブラック企業、ゆるブラック企業」についてのアンケート調査結果を発表した。仕事は楽だが成長できない「ゆるブラック企業」からの転職を76%が肯定した。
エン・ジャパンが運営する総合求人サイト「エン転職」は2023年12月20日、「ブラック企業、ゆるブラック企業」についてのアンケート調査結果を発表した。
同調査はエン転職の利用者を対象としたもので、5773人から回答があった。まず、仕事は楽だが、成長できず収入も上がらないような企業を指す「ゆるブラック企業」という言葉を知っているか尋ねたところ、43%が「知っている」と回答した。年代別で見ると、「知っている」の回答割合は20代が37%、30代が40%、40代以上が47%と、年代が上がるほど高かった。
次に、「ゆるブラック企業だから」という理由での転職をどう思うか尋ねた。その結果、「同意できる」が39%、「どちらかといえば同意できる」が37%となり、76%が同意できると回答した。年代別で見ると、年代が低い方が「同意できる(どちらかといえばを含む)」の割合が高くなっており、若手層ほど肯定的な結果となっている。
現職を「ブラック企業」と思う人は32%、理由は「低賃金」が最多
続いて、自身が勤めている企業(離職している場合は直近の企業)は、ブラック、ゆるブラック、ホワイトのいずれに当てはまると思うかを尋ねたところ、「ブラック企業」は32%で、「ゆるブラック企業」が27%、「ホワイト企業」が13%となった。
業種別でブラック、ゆるブラック、ホワイトの回答割合を見ると、それぞれ最も多かった業種は、ブラック企業は「サービス」(37%)、ゆるブラック企業は「インフラ」(32%)、ホワイト企業は「IT、通信、インターネット」(24%)となった。
現職を「ブラック企業」と回答した人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「仕事に見合わない低賃金だから」(61%)だった。続いて、「離職率が高いから(平均勤続年数が短いから)」(56%)、「パワハラや職場いじめが行われているから」(43%)となっている。
また、「ゆるブラック企業」と回答した人の理由は、「労働時間は適切だが、仕事で成長できないから」(57%)が最も多かった。続いて「評価が上がりにくいから」(48%)、「仕事に見合った賃金だが、上がりにくいから」(41%)となっている。
「ホワイト企業」と回答した人の理由を見ると、最も多かったのは「有給休暇が取得しやすい、休みが多いから」(65%)だった。続いて「労働時間が適切で、仕事で成長できるから」(62%)、「仕事に見合った賃金だから」(41%)となっている。
転職活動で企業を選ぶ際、ブラック、ゆるブラック、ホワイトなど企業の情報や評判を気にするかと尋ねたところ、「気にする」が74%を占めた。「気にする」の回答割合を年代別に見ると、20代が82%、30代は78%、40代以上は69%となり、20代が最も多かった。
前問で、企業の評判を「気にする」と回答した人に「情報や評判の探し方」を尋ねた。その結果、「会社口コミサイトを見る」(85%)が最も多かった。続いて「転職情報サイトの求人を見る」(57%)、「検索サイトで『会社名 ブラック』などを調べる」(31%)となっている。
転職活動で企業を選ぶ際に「気にする条件」は、「労働時間、休日数が適切か」(80%)が最も多かった。次いで「会社の雰囲気がいいか、社員同士の仲が良いか」「福利厚生は充実しているか」(同率61%)となった。
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