働く男性の54.6%が、職場で「男性ゆえの困難」を経験:キャリアニュース
Indeed Japanが「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」の結果を発表した。「職場での男性特有の困難」を54.6%が経験し、そのうち79.7%が、困難が自身の働き方やキャリアに影響したと回答した。
求人検索エンジンのIndeed Japanは2023年11月16日、「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」の結果を発表した。同調査は、全国の20〜59歳の男性正規雇用者(現在就業中の正社員、会社経営者、公務員、団体職員を含む)2500人を対象とした。
まず、直近3年間で働いた全ての職場で、職場における男性特有の困難(以下、困難)を経験したか尋ねたところ、54.6%が「経験したことがある」と回答した。内訳は「経験したことがあり、悩んでいる」が39.7%(経験者の72.7%)、「経験したことがあるが、悩んでいない」が14.9%となっている。
経験した困難の項目別トップ3は、「肉体的にハードな仕事をさせられやすい」(40.9%)、「残業など長時間労働をさせられやすい、断りづらい」(39.7%)、「家庭より、仕事を優先すべきだという空気感を感じる」(37.1%)となった。
次に、困難を経験したことがあると回答した人に、経験した困難によって自身の仕事やキャリア、働き方に影響を受けたかと尋ねた。その結果、「影響を受けたことがある」が79.7%を占めた。
困難を経験したことで、自身の仕事やキャリア、働き方に具体的にどのような影響があったかを尋ねた。1位は「プライベート(家庭、家族は含まず)を犠牲にしている、したことがある」(47.1%)、2位「体もしくは心の調子を崩している、崩したことがある」(39.0%)、3位 「家庭参加(家事、育児、介護など)を犠牲にしている、したことがある」(34.7%)となった。
男性特有の困難が「職場で認識されていない」と8割が回答
直近3年間で働いた全ての職場での出来事として、職場の同僚など他者が体験した困難を見聞きしたことがあるかを尋ねたところ、「見聞きしたことがある」が46.8%、「見聞きしたことはない」が53.2%となった。
「見聞きしたことがある、他者が体験した困難」のトップ3は、「男性であるがゆえ残業など長時間労働をさせられやすい、断りづらい」(35.2%)、「男性であるがゆえ肉体的にハードな仕事をさせられやすい」(35.0%)、「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」(34.3%)となった。
次に、見聞きしたことがある他者が体験した困難のうち、変わってほしい、変えるべきだと思うものがあるかを尋ねたところ、90.7%が(少なくとも1つ以上の困難について)「変わってほしい、変えるべきだと思うものがある」と回答した。
「変わってほしい、変えるべきだと思う」の回答割合が最も高かった項目は、「男性であるがゆえ残業など長時間労働をさせられやすい、断りづらい」(71.8%)だった。2位は「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」(69.8%)、3位は「男性は長時間労働をした方が評価されやすいので、せざるを得ない」(68.7%)だった。
他者の困難を見聞きしたことがある人に、見聞きした他者の困難のうち「会社や職場で問題として認識されていないと思う」ものがあるかを尋ねたところ、80.9%が(少なくとも1つ以上の困難について)「認識されていないと思うものがある」と回答した。
「会社や職場で問題として認識されていないと思う」の回答割合が高い項目は、1位「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」(47.1%)、2位「男性は長時間労働をした方が評価されやすいので、せざるを得ない」(45.6%)、3位「男性であるがゆえ転勤や異動(配置換え)の打診を受けやすい」(44.6%)だった。
次に、困難を経験した、もしくは見聞きしたことがある人に、そのときに何らかの行動を起こしたか尋ねた。その結果、55.4%が「誰にも相談しなかった、何もしなかった(自分の心の中に留めた)」と回答した。
「誰にも相談しなかった、何もしなかった(自分の心の中に留めた)」と回答した人に、行動しなかった理由を尋ねた。トップ3は、「人に相談しづらいと思ったから」(30.6%)、「波風を立てたくなかったから」(30.2%)、「逆に批判されそうだと思ったから」(16.1%)だった。
最後に、自身が困難を経験して悩んだことがある人、もしくは他者の困難を見聞きして「変わってほしい、変わるべきだと思う」と回答した人に、その困難を解消するために企業や職場にどのようなことを求めるかを尋ねた。その結果、「長時間労働の是正、残業の削減に向けた労務時間の適正管理」(33.4%)が最も多かった。次いで、「ワークライフバランスの推進(仕事とプライベートや家庭とのバランスが取りやすい制度や仕組みづくり)」(32.0%)、「性別による決めつけや役割分担の押し付けを解消する取り組み」(29.3%)となった。
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