インテルが「4年で5つのプロセスノード実現」にめど、Intel 7からIntel 18Aまで:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
インテルは、2023年12月14日に米国本社が発表した新製品「Core Ultra」と「第5世代 Xeon SP」を紹介するとともに、2024年以降に予定している製造プロセスの立ち上げ時期や製品展開の方針などについて説明した。
「シリコノミー」はインテルが自らの責任を明確化する言葉
今後の量産スケジュールについてはIntel 3は既に製造準備が完了しており、2024年前半投入予定の開発コード名「Sierra Forest」の「Xeon プロセッサー(以下、Xeon)」に適用される。Sierra Forestは高効率コアである「Eコア」だけで構成される製品であり、鈴木氏の言う「一部前倒し」はSierra Forestのことだ。2024年前半に製造準備が整うIntel 20Aでは、「Power VIA」や「RibbonFET」などの新技術を全面的に採用するなど大きな変更になる。さらに、Intel 18Aは2024年後半に製造準備が整い、次世代PCクライアント向け製品である開発コード名「Panther Lake」や、次世代Xeonの開発コード名「Clearwater Forrest」に用いられる。2024年に集中しているイメージは強いが、このスケジュールによって「4年で5つのプロセスノード」を実現する構えだ。
また鈴木氏は、ゲルシンガー氏が言及する「シリコノミー(Siliconomy)」という言葉も取り上げた。「半導体の影響力はさまざまな分野で増大しており、シリコンなくしてエコノミー(経済)は成り立たない状況になっている。このシリコノミーという言葉は、半導体業界をリードしてきたインテルが自らの責任を明確化する言葉でもある」(鈴木氏)という。このシリコノミーの状況下では、まず2025年までに半導体需要の20%をAI関連チップがけん引し、中長期的な成長では自動車、コンピューティング&ストレージ、無線の3業種が全体の70%を占めるようになるという見方を示した。
このシリコノミーにおける「インテルの責任」を日本国内向けに反映しているのが、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を中心としたデジタル人材育成の取り組みである。2024年からは、政府が2023年補正予算補正予算に盛り込んだ1000の高校を対象とする「DXハイスクール」でパートナーとともに協力することになっている。鈴木氏は「これからのデジタル人材育成に向けた取り組みを、点から線、線から面へ広げていきたい」としている。
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