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車体からの振動を3分の1に抑えるシート用防振ゴムが新型車に採用:材料技術
住友理工の防振ゴムが、トヨタ自動車の新型「アルファード」と「ヴェルファイア」に採用された。シート用防振ゴムであるシートレールマウントを取り付けることにより、車体から伝わる振動を従来モデルの3分の1に抑え、快適性を向上する。
住友理工は2023年11月27日、同社の防振ゴムがトヨタ自動車の新型「アルファード」と「ヴェルファイア」に採用されたと発表した。
両車種は「快適な移動の幸せ」をコンセプトに、快適な乗り心地を追求している。シート用防振ゴムのシートレールマウントを、座席と車体の接合部に取り付ける防振構造により、車体から伝わる振動を従来モデルの3分の1に抑え、乗車時の快適性を向上する。
また、同製品は従来の防振部品に比べて約3kg軽いため、燃費の向上にも寄与する。快適性と車両性能の向上に貢献したとして、同製品はトヨタ自動車とトヨタ車体から技術賞を受賞している。
ミニバンで発生する振動に対しては、これまでも防振部品による対策が講じられてきたが、全ての振動を抑制することはできなかった。
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