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ゴム製圧電センサーを用いた生体情報診断用機器を開発:医療機器ニュース
住友理工は、心拍や呼吸などの生体情報(バイタルデータ)を同時に計測できる診断用機器「体動センサー」を開発した。ゴム製の圧電センサーとして、世界で初めて実用化した。
住友理工は2019年3月28日、心拍や呼吸などの生体情報(バイタルデータ)を同時に計測できる診断用機器「体動センサー」を開発したと発表した。ゴム製の圧電センサーとしては、世界初の実用化になるという。同年4月より、研究開発者向けにモニター販売を開始した。
体動センサーは、センサーデバイスと計測ユニットから構成される。体に触れる箇所に設置すると、心拍や呼吸、体動などのバイタルデータを計測できる。離着床を同時に計測することも可能だ。収集データは、計測ユニット経由でPCやスマホなどで管理・閲覧が可能で、遠隔でのモニタリングにも対応する。
同社のコア技術「SRセンサー」技術を応用し、新素材の圧電ゴムを搭載した。この素材は、薄型で柔軟、伸縮性に優れ、例えばベッドの上に敷くだけで生体センシングができる。
研究開発者向けのモニター販売では、センサーデバイス、計測ユニット、付属アプリケーションソフトがセットになる。センサーシートサイズは900×120mm、接続PCのOSはWindows 7/8/10に対応、通信規格はBluetooth Low-energy/USBとなる。アプリケーションソフトでは、リアルタイム波形表示とCSV出力が可能だ。
医療用途に加え、介護、乳幼児の見守り、健康管理やアスリートのパフォーマンス向上を目指した睡眠モニタリング、ドライバー向け生体センシングなどへの応用を見込む。
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