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騒音シミュレーション事例CAEと計測技術を使った振動・騒音対策(20)(1/4 ページ)

“解析専任者に連絡する前に設計者がやるべきこと”を主眼に置き、CAEと計測技術を用いた振動・騒音対策の考え方やその手順を解説する連載。連載第20回では、騒音シミュレーションの事例をいくつか紹介する。

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 今回は、騒音シミュレーションの事例をいくつか紹介します。

⇒「連載バックナンバー」はこちら

球面音波

 図1に示したような出力W[W]の点音源から距離r[m]離れた点の音圧レベルを計算してみましょう。ついでに等価損失が20[dB]の遮音材も考慮しましょう。点音源だと都合が悪いので音源は半径aの球とします。

点(球)音源
図1 点(球)音源[クリックで拡大]

 図2に半径aにおける音の強さ(音響インテンシティ)を示します。赤色の点が半径0の点音源、水色の球が半径aの音源とします。

半径rにおける音の強さ(音響インテンシティ)
図2 半径rにおける音の強さ(音響インテンシティ)[クリックで拡大]

 点音源と同じ音響出力を持つ球音源の粒子速度を求めます。粒子速度がシミュレーションでの音源の境界条件となります。半径aにおける音響インテンシティはWを球の表面積で割った値なので次式となります。

式1
式1

 平面音波と球面音波では大事な関係式がありました。次式です。

式2
式2

 式2式1を代入すると、音圧実効値は次式となります。

式3
式3

 球面音波の波動方程式は次式となります(参考文献[1])。

式4
式4

 波動方程式の2つの解のうち、広がっていく波動方程式の解は次式となります。

式5
式5

 正弦音波と仮定すると、波動方程式の解は次式で表現できます。

式6
式6

 微小な空気の立方体の運動方程式は、連載第2回の内容を参考にすると次式となります。

式7
式7

 式7式6を代入します。

式8
式8[クリックで拡大]

 式8を時間tで積分します。

式9
式9

 r=aを代入し、sinとcosの合成式を使います。

式10
式10

 r=aにおける音圧振幅はP0/aなので、音圧実効値は次式となります。

式11
式11

 上式と式3が等しいとすると、次式が成立します。

式12
式12

 式10に上式を代入します。

式13
式13

 r=aにおける流体粒子の速度振幅は次式となります。この速度振幅がシミュレーションの境界条件となります。

式14
式14

 半径rでの音圧レベルLpは、音圧レベルの定義式と式3から次式で求められます。

式15
式15

参考文献:

  • [1]小橋豊|基礎物理学選書4 音と音波|裳華房(S62)

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