この記事は、2023年11月24日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
「食の安全性」の大事さを意識させられたニュースが最近ありました。SNSを中心に大きな話題を呼んだ、「糸引き」手作りマフィンを巡る食中毒の話です。各種メディアでも報道されていましたからご存じの方も多いでしょう。
オリジナル作品を展示/販売するイベント「デザインフェスタvol.58」(2023年11月11日〜12日、東京ビッグサイト)で販売された約3000個のマフィンについて、厚生労働省が健康への危険性を示す指標で最大の「CLASS I」に指定してリコール対象製品として発表しました。購入者から「納豆のようなにおいがある」「糸を引いている」などの訴えがあり、これを受けて販売業者の管区である目黒区の保健所も立ち入り検査を実施しています。なお、CLASS Iの分類例には「腸管出血性大腸菌に汚染された生食用野菜」「ボツリヌス毒素に汚染された容器包装詰食品」などが示されており、健康被害の潜在的リスクがどれほど大きいと判断されたかが伺えます。
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