イノテックがRaptor Lake-P搭載の小型産業用PCを披露、顔認証などエッジAI向け:Edge Tech+ 2023
イノテックは、「EdgeTech+ 2023」において、インテル第13世代「Core」プロセッサ「Raptor Lake-P」を搭載する産業用PC「EMBOX TypeRE1283」を参考出展した。現在開発中で、2024年中ごろをめどに市場投入する計画である。
イノテックは、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日、パシフィコ横浜)において、インテル第13世代「Core」プロセッサ「Raptor Lake-P」を搭載する産業用PC「EMBOX TypeRE1283」を参考出展した。現在開発中で、2024年中ごろをめどに市場投入する計画である。
同社はインテルのプロセッサを搭載するCPUボードや産業用PCを展開している。最新モデルとしては「Atom x6000Eシリーズ」(開発コード名:Elkhart Lake)を搭載する製品や、第11世代「Xeon」プロセッサ「Tiger Lake」を搭載する製品などがある。
展示したEMBOX TypeRE1283が搭載するRaptor Lake-Pは、2023年1月に発表されたモバイル向けプロセッサである。CPUとして、高性能のPコアと高効率のEコアを搭載することで、高い処理性能を発揮するとともに消費電力の低減も可能なことが特徴となっている。さらに、これらのCPUと内蔵GPUを統合制御することでAI(人工知能)アクセラレータとしての性能向上も図られている。「機械学習サービスの『OpenVINO』を組み合わせることでさらにAI処理性能を高められる」(イノテックの説明員)という。
EMBOX TypeRE1283の主な用途として想定されているのが、エッジデバイスでの顔認証だ。イノテックのパートナーであるトリプルアイズの画像認識プラットフォーム「AIZE」を組み込むことで、クラウドで運用する場合と比べてリアルタイム性の高い顔認証が可能になる。「個人情報保護対応なども含めてエッジでの顔認証には一定のニーズがある。Skylake世代では顔認証に時間がかかるためカメラの前でしばらく待つ必要があったが、EMBOX TypeRE1283に搭載するRaptor Lake-Pであればウォークスルーでの顔認証が可能なレベルになる」(同説明員)。
EMBOX TypeRE1283は外形寸法が幅178×奥行き110×高さ48mmと小型で、最大メモリ容量がDDR5 SO-DIMMで32GB、ストレージはM.2 SATA×1チャネル。I/Oは、USB 3.1×4、LAN×2、Display Port×1、RS-232C×2などとなっている。Wi-FiもしくはLTEによる無線通信も可能だ。
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